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四国八十八ヶ所 ・ 愛媛県(伊予・菩提の道場)

第60番 石鈇山 福智院 横峰寺

標高715mの横峰寺。権現造の本堂と星供大師で知られる、四国屈指の難所 御本尊ごほんぞんは大日如来です。 愛媛県・伊予の第60番札所ふだしょです。
第60番 石鈇山 福智院 横峰寺 境内
境内(Dokudami / CC BY-SA 3.0)
第60番

横峰寺

本尊大日如来

おん あびらうんけん ばざらだどばん

御詠歌たて横に峰や山辺に寺たてて あまねく人を救ふものかな

愛媛県・伊予菩提の道場真言宗御室派
はじめての方へ|この記事に出てくる言葉
本尊ほんぞん
そのお寺がいちばん大切におまつりする、中心の仏さま。
御真言ごしんごん
本尊に呼びかける、サンスクリットに由来する短い聖なる言葉。
御詠歌ごえいか
その札所をたたえ、巡る心をうたった和歌。
縁起えんぎ
そのお寺の始まりや、いわれを伝える言い伝え。
札所ふだしょ
お参りするお寺のこと。四国遍路では四国八十八ヶ所をめぐる。
大師堂だいしどう
弘法大師(お大師さま)をおまつりするお堂。本堂とあわせてお参りする。
奥の院おくのいん
札所の近くにある、もう一つの聖地。旧境内や、大師が修行したと伝わる岩や滝など。
結願けちがん
八十八ヶ所すべてを巡り終えること。「満願まんがん」ともいう。
四つの道場
四国の四県を、心の旅の四段階になぞらえた呼び名。阿波=発心ほっしん、土佐=修行しゅぎょう、伊予=菩提ぼだい、讃岐=涅槃ねはん。

 

  1. 縁起と歴史
  2. 見どころ・伽藍
  3. 信仰と物語
  4. 参拝の手引き
  5. 出典

八十八ヶ所のなかの位置

徳島県発心の道場1〜23
高知県修行の道場24〜39
愛媛県菩提の道場40〜65
香川県涅槃の道場66〜88
60

八十八ヶ所の道のりで、第60番は 愛媛県(伊予・菩提の道場)にあります。阿波23・土佐16・伊予26・讃岐23ヶ寺のうち、全体では60番目です。

第60番は愛媛県・菩提の道場。
大日如来(大日如来像)
「大日如来像」根津美術館蔵 出典: Wikimedia Commons(パブリックドメイン)
所在地〒799-1112 愛媛県西条市小松町石鎚甲2253
前後の札所前の第59番国分寺から約36km(前の第59番国分寺から車遍路約36km・標高715mの難所)。次の第61番香園寺へ約15km。
この寺の成り立ち

縁起と歴史

西日本の最高峰・石鎚山(標高1982m)は、山岳信仰の霊地であり、修験しゅげん道の道場でもある。弘法大師こうぼうだいし・空海は24歳の若いときの著書『三教指帰』の中で「或時は石峯に跨って粮を絶ち(断食)轗軻(苦行練行)たり」と、この山で修行した様子を記している。境内は石鎚山の山系の北側中腹(750m)にある。四国霊場れいじょうのうちでは3番目の高地にあり、「遍路へんろころがし」の最難所であった。昭和59年に林道が完成し、現在は境内から500m離れた林道の駐車場まで車で行って参拝できる。ただし冬期は12月下旬から2月いっぱい不通となり、大型バスも通行できない。縁起えんぎによると、白雉2年、役行者が石鎚山の星ヶ森で修行をしていると、山頂付近に蔵王権現が現れたという。その姿を石楠花の木に彫り、小堂を建てて安置したのが創建とされている。また延暦年間(782〜806)には石仙仙人という行者が住んでおり、桓武天皇(在位781〜806)の脳病平癒を成就したことから、仙人は菩薩の称号を賜ったと伝えられる。弘法大師がこの寺で厄除けやくよけと開運祈願の星供養の修法をしたのは大同年間(806〜10)とされ、このときも蔵王権現が現れたのを感得し、堂宇を整備して霊場とした。以来、神仏習合の別当寺として栄えたが、明治新政府の廃仏毀釈令により寺は廃寺となった。明治42年になって、檀信徒の協力でようやく復興している。

おもな歴史
  • 昭和59年に林道が完成し、現在は境内から500m離れた林道の駐車場まで車で行って参拝できる。
  • 弘法大師こうぼうだいしが霊場れいじょうとして整えたのは大同年間(806〜10)とされる。このとき蔵王権現が現れたのを感得し、堂宇を整備した。
  • 明治新政府の廃仏毀釈令により、寺は廃寺となった。
  • 明治42年になって、檀信徒の協力でようやく復興している。
お参りの前に

見どころ・伽藍

この札所の見どころ
  • 星供大師本堂の左手前。右手に剣、左手に星供の巻物を持つ。
  • 権現造本堂神社風の本堂に、大日如来と蔵王権現を祀る。
  • 星供大師星供養の大師像で知られる。
  • 石楠花5月上旬に山際一面が薄紅色に染まる。
  • 本堂神社風の権現造り。本尊ほんぞんは伝弘法大師こうぼうだいし作の大日如来坐像。平安時代の金銅蔵王権現御正体像も祀り、ともに県指定重要文化財。
伽藍・主要堂宇
  • 本堂・星供大師・石楠花(本堂から大師堂だいしどうの横の山際一面に植えられ、5月上旬から鮮やかな薄紅色の花が境内を彩る)。星ヶ森(名勝。山門から約600m、霊峰石鎚山の遥拝所)。
  • 西日本の最高峰・石鎚山(標高1982m)は、山岳信仰の霊地であり、修験しゅげん道の道場でもある。
  • 境内は石鎚山の山系の北側中腹(750m)にある。
  • その姿を石楠花の木に彫り、小堂を建てて安置したのが創建とされている。
文化財・寺宝
  • OUV特記:山岳部・石鎚山北麓。石鎚信仰。上道9.1km古道が史跡候補
伝わるもの

信仰と物語

御本尊と信仰
  • 本尊ほんぞんは大日如来。縦にも横にも、峰や山辺に寺を建てて、広くあまねく人々を救おうとなさるのだなあ。横峰寺の名にふさわしいお慈悲です。
  • 真言しんごんは「おん あびらうんけん ばざらだどばん」。
  • 宝号は南無大師遍照金剛/南無禅定法皇。
伝説・説話
  • 縁起えんぎによると、白雉2年、役行者が石鎚山の星ヶ森で修行をしていると、山頂付近に蔵王権現が現れたという。
  • また延暦年間(782〜806)には石仙仙人という行者が住んでおり、桓武天皇(在位781〜806)の脳病平癒を成就したことから、仙人は菩薩の称号を賜ったと伝えられる。
文学・和歌
  • 御詠歌ごえいか「たて横に峰や山辺に寺たてて あまねく人を救ふものかな」
  • 御詠歌は四国霊場れいじょう会の札所ふだしょ案内・納経のうきょう帳などで広く流通し、巡礼の道中で唱えられる。
ゆかりの人物
  • 開基は役行者小角と伝わる。
  • 弘法大師こうぼうだいし・空海は24歳の若いときの著書『三教指帰』の中で「或時は石峯に跨って粮を絶ち(断食)轗軻(苦行練行)たり」と、この山で修行した様子を記している。
  • 弘法大師がこの寺で厄除けやくよけと開運祈願の星供養の修法をしたのは大同年間(806〜10)とされ、このとき蔵王権現が現れたのを感得し、堂宇を整備して霊場れいじょうとした。
訪ねる方へ

参拝の手引き

年中行事
  • 星まつり:2月3日
  • 花まつり:旧暦4月8日
参拝の実際
  • 駐車場:あり
  • 電話:0897-59-0142
  • 納経のうきょう時間・拝観料は季節・行事で変わる場合がある。参拝前に電話または公式で確認を推奨。
周辺・遍路道
  • 前の第59番国分寺から約36km(車遍路へんろで約36km、標高715mの難所)。次の第61番香園寺へ約15km。
  • いよ小松インターチェンジから国道11号線を西条市方面へ走ります。氷見交差点を過ぎて県道142号線に右折し、バス停横峰登山口で右折。山へ向かって進むと正面です。
アクセス
  • 〒799-1112 愛媛県西条市小松町石鎚甲2253
公式・関連リンク
  • 四国八十八ヶ所霊場会ページ
  • 霊場会
この記事の拠りどころ

出典

本文の確認に用いた公開資料と、札所別研究記録に記載された書誌情報です。公開本文のURLを確認できた資料はリンクし、書誌情報のみ確認できたものはその旨を明記しています。

第60番 石鈇山 福智院 横峰寺|(一社)四国八十八ヶ所霊場会(公式霊場案内)
『四国八十八ヶ所霊場先達教典』((一社)四国八十八ヶ所霊場会編・2006年|書誌情報)
宮﨑建樹『四国遍路ひとり歩き同行二人 解説編』第8版(へんろみち保存協力会・2017年|国立国会図書館書誌)
上野進「四国遍路と札所寺院―香川県の札所寺院調査から―」(『四国遍路と世界の巡礼』5・2020年|愛媛大学リポジトリ)
四国遍路総合研究(霊場資料学)(科学研究費助成事業 KAKEN23K20107|研究課題・成果一覧)
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