第46番 医王山 養珠院 浄瑠璃寺

浄瑠璃寺
本尊薬師如来
おん ころころ せんだり まとうぎ そわか
御詠歌極楽の浄瑠璃世界たくらえば 受くる苦楽は報いならまし
はじめての方へ|この記事に出てくる言葉
- 本尊
- そのお寺がいちばん大切におまつりする、中心の仏さま。
- 御真言
- 本尊に呼びかける、サンスクリットに由来する短い聖なる言葉。
- 御詠歌
- その札所をたたえ、巡る心をうたった和歌。
- 縁起
- そのお寺の始まりや、いわれを伝える言い伝え。
- 札所
- お参りするお寺のこと。四国遍路では四国八十八ヶ所をめぐる。
- 大師堂
- 弘法大師(お大師さま)をおまつりするお堂。本堂とあわせてお参りする。
- 奥の院
- 札所の近くにある、もう一つの聖地。旧境内や、大師が修行したと伝わる岩や滝など。
- 結願
- 八十八ヶ所すべてを巡り終えること。「満願」ともいう。
- 四つの道場
- 四国の四県を、心の旅の四段階になぞらえた呼び名。阿波=発心、土佐=修行、伊予=菩提、讃岐=涅槃。
八十八ヶ所のなかの位置
八十八ヶ所の道のりで、第46番は 愛媛県(伊予・菩提の道場)にあります。阿波23・土佐16・伊予26・讃岐23ヶ寺のうち、全体では46番目です。

縁起と歴史
医王山 養珠院 浄瑠璃寺は、松山市内八ヶ寺の打ち始めとなる霊場である。参道入口の石段左には「永き日や衛門三郎浄るり寺」と彫られた正岡子規の句碑があり、お遍路を迎えてくれる。このあたりは遍路の元祖とされる右衛門三郎のふる里として知られる。縁起では、行基菩薩が奈良の大仏開眼に先立つ和銅元年(708年)、布教のためこの地を訪れ、白檀の木で薬師如来像を彫って本尊とし、脇侍に日光・月光菩薩、眷属に十二神将を彫造して安置したと伝わる。寺名は薬師如来の瑠璃光浄土にちなんで「浄瑠璃寺」、山号は医王如来にちなむ。大同2年(807年)には、帰朝の途上の弘法大師がこの地にとどまり、荒廃した伽藍を修復して四国霊場の一寺としたと伝わる。室町末期には平岡道倚が本尊に祈願して全快し、寺塔を再興して厚く帰依したという。正徳5年(1715年)の山火事で本尊と脇侍を除く伽藍を焼失したが、天明5年(1785年)に堯音が托鉢行脚の浄財で本堂などを再興した。堯音は、岩屋寺から松山市に至る土佐街道に8つの橋を架けた社会事業家としても知られる。樹齢1,000年を超えるイブキビャクシン(市天然記念物)も信仰を集めている。
弘法大師との関わり
大同2年(807年)、唐から帰朝した弘法大師がこの寺にとどまり、荒廃していた伽藍を修復して四国八十八ヶ所霊場の一寺としたと伝わる。御詠歌に詠まれる「浄瑠璃世界」は、薬師信仰と結び付けられる。
- 和銅元年(708年):行基菩薩が白檀の薬師像を彫造して開創したと伝わる
- 大同2年(807年):弘法大師が伽藍を修復し四国霊場に定めたと伝わる
- 室町末期:平岡道倚が祈願して全快し、寺塔を再興して帰依した
- 正徳5年(1715年):山火事で伽藍焼失(本尊・脇侍は残存)
- 天明5年(1785年):堯音が本堂などを再興
- 近世:右衛門三郎・正岡子規ゆかりの遍路文化の中心地の一つ
見どころ・伽藍
- 正岡子規句碑「永き日や衛門三郎浄るり寺」(参道入口石段左)
- イブキビャクシン樹齢約1,000年、樹高約20メートル、松山市天然記念物
- 一願弁天堂音楽・智恵・美貌・財宝・福徳に霊験があるという天女像
- 仏手・仏足石霊鷲山の石が埋め込まれた説法石
- 底抜け柄杓・安産薬師妊婦の信仰を集める
- 境内にそびえる樹齢約1,000年のイブキビャクシンは、弘法大師が加持したと伝わり、延命・豊作にご利益を願う信仰があるとして信仰を集める。松山市天然記念物に指定されている。
- 一願弁天堂は本堂左手奥の鳥居の中にあり、音楽・智恵・美貌・財宝・福徳に霊験があると伝わる天女像を祀る。
- 参道入口の正岡子規句碑は、松山八ヶ寺の打ち始めの霊場としての性格を象徴する。
- 本堂周辺では、一願弁天堂・イブキビャクシン・説法石が信仰の三柱となっている。
- 遍路の元祖とされる右衛門三郎のふる里として、浄瑠璃町一帯に関連伝承が残る。
- 堯音が架けた土佐街道の8橋は、周辺の社会事業遺産として語り継がれる。
- 奥の院・別院の有無や参拝ルールは、季節や工事で変わる場合がある。現地の案内板を確認すること。
- OUV特記:平野部(松山)
- 所在地(OUV表):松山市浄瑠璃町
信仰と物語
- 本尊の薬師如来は瑠璃光浄土の安楽を願う仏で、現世の苦楽を前世の報いと受け止める御詠歌の教えを伝える。
- 「安産の薬師さん」として、底抜け柄杓を用いた安産祈祷が知られる。
- イブキビャクシンは延命・豊作のご利益を願う信仰があるとして、篤い信仰を集める。
- 右衛門三郎がこの寺に参詣したという、遍路元祖の伝説。
- 平岡道倚の病気平癒と再興にまつわる逸話。
- 縁起の逸話は寺伝・地域伝承として広く語られるが、なかには史実性に学術的検討を要するものも含まれる。
- 御詠歌「極楽の浄瑠璃世界たくらえば 受くる苦楽は報いならまし」
- 正岡子規「永き日や衛門三郎浄るり寺」(句碑)
- 御詠歌の結句は極楽・利益・守護など本尊信仰の要点を詠じ、参拝の心構えとして唱和される。
- 行基菩薩:開基と伝わる。
- 弘法大師:大同2年の修復。
- 平岡道倚:室町末期の再興。
- 堯音:天明期の再興と8橋の架設。
- 正岡子規:句碑。
- 右衛門三郎:ふる里の伝承。
参拝の手引き
- 8月15日:平和祈願法要
- 駐車場:あり(無料)
- 宿坊:なし
- 納経時間・駐車場・宿坊の最新情報は、霊場会または電話で確認のこと。
- 久万高原の第45番岩屋寺から下り、松山平野部へ。第47番八坂寺へは約5km。
- 松山ICから国道33号線を砥部方面へ進み、重信大橋を越えて左折、県道23号線をバス停広瀬で右折。
- OUV特記:平野部(松山)
- 〒791-1133 愛媛県松山市浄瑠璃町282
- 089-963-0279
- あり(無料)
出典
本文の確認に用いた公開資料と、札所別研究記録に記載された書誌情報です。公開本文のURLを確認できた資料はリンクし、書誌情報のみ確認できたものはその旨を明記しています。


