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四国八十八ヶ所 ・ 愛媛県(伊予・菩提の道場)

第44番札所 菅生山 大覚院 大宝寺

大宝寺だいほうじは、愛媛県上浮穴郡久万高原町にある真言宗しんごんしゅう豊山派の寺院で、四国八十八ヶ所しこくはちじゅうはっかしょ霊場れいじょうの第44番札所ふだしょです。 山号は菅生山、院号は大覚院。 御本尊ごほんぞんは十一面観世音菩薩じゅういちめんかんぜおんぼさつです。 標高579メートルの菅生山に建つ「中札所」。掘出観音と陵権現で知られる久万高原の山岳霊場。
第44番 菅生山 大覚院 大宝寺 境内
境内(Reggaeman / CC BY-SA 3.0)
第44番

大宝寺

本尊十一面観世音菩薩

おん まか きゃろにきゃ そわか

御詠歌今の世は大悲のめぐみ菅生山 ついには弥陀の誓いをぞまつ

愛媛県・伊予菩提の道場真言宗豊山派
はじめての方へ|この記事に出てくる言葉
本尊ほんぞん
そのお寺がいちばん大切におまつりする、中心の仏さま。
御真言ごしんごん
本尊に呼びかける、サンスクリットに由来する短い聖なる言葉。
御詠歌ごえいか
その札所をたたえ、巡る心をうたった和歌。
縁起えんぎ
そのお寺の始まりや、いわれを伝える言い伝え。
札所ふだしょ
お参りするお寺のこと。四国遍路では四国八十八ヶ所をめぐる。
大師堂だいしどう
弘法大師(お大師さま)をおまつりするお堂。本堂とあわせてお参りする。
奥の院おくのいん
札所の近くにある、もう一つの聖地。旧境内や、大師が修行したと伝わる岩や滝など。
結願けちがん
八十八ヶ所すべてを巡り終えること。「満願まんがん」ともいう。
四つの道場
四国の四県を、心の旅の四段階になぞらえた呼び名。阿波=発心ほっしん、土佐=修行しゅぎょう、伊予=菩提ぼだい、讃岐=涅槃ねはん。

 

  1. 基本情報
  2. 縁起と歴史
  3. 見どころ・伽藍
  4. 信仰と物語
  5. 参拝の手引き
  6. よくある質問
  7. あわせて読む
  8. 出典

八十八ヶ所のなかの位置

徳島県発心の道場1〜23
高知県修行の道場24〜39
愛媛県菩提の道場40〜65
香川県涅槃の道場66〜88
44

八十八ヶ所の道のりで、第44番は 愛媛県(伊予・菩提の道場)にあります。阿波23・土佐16・伊予26・讃岐23ヶ寺のうち、全体では44番目です。

第44番は愛媛県・菩提の道場。
十一面観音(十一面観音像(国宝・法起寺伝来))
「十一面観音像」(国宝・法起寺伝来)奈良国立博物館蔵 出典: Wikimedia Commons(パブリックドメイン)
札所番号・本尊・所在地

基本情報

札所番号四国八十八ヶ所霊場 第44番札所(愛媛県・伊予、菩提の道場)
寺名大宝寺(だいほうじ)
山号・院号菅生山 大覚院
宗派真言宗豊山派
御本尊十一面観世音菩薩(じゅういちめんかんぜおんぼさつ)
御真言おん まか きゃろにきゃ そわか
御詠歌今の世は大悲のめぐみ菅生山 ついには弥陀の誓いをぞまつ
所在地〒791-1205 愛媛県上浮穴郡久万高原町菅生2-1173
電話0892-21-0044
駐車場あり(150人・要予約)
納経時間午前8時から午後5時まで(霊場会の定める全札所共通の時間。納経帳への朱印は500円、2024年4月1日改定)
前後の札所前の第43番明石寺から約20.0km(峠越えの難所)。次の第45番岩屋寺へ約10.0km(久万高原内)。
霊場会の案内大宝寺|(一社)四国八十八ヶ所霊場会
この寺の成り立ち

縁起と歴史

菅生山 大覚院 大宝寺は、四国山地に囲まれた標高579メートルの山中にあり、老樹が立ち並ぶ静かな境内を持つ。八十八ヶ所のちょうど半分に当たることから「中札所ふだしょ」とも呼ばれる。縁起えんぎは大和朝廷の時代まで遡る。百済から来朝した聖僧が携えてきた十一面観音像を、この山中に安置していたと伝わる。飛鳥時代の大宝元年(701年)、安芸(広島)から来た狩人、明神右京・隼人の兄弟が菅草の中で十一面観音像を見つけ、草庵を結んで祀った。文武天皇(在位697〜707年)は奏上を聞いて勅命で寺院を建立し、元号にちなんで「大宝寺」と号したと伝わる。弘仁13年(822年)には弘法大師こうぼうだいしが訪れて密教を修法し、四国霊場れいじょうの中札所と定め、天台宗から真言宗しんごんしゅうに改めたと伝わる。仁平2年(1152年)に全山が焼失したが、保元年間(1156〜1159年)に後白河天皇が病気平癒を祈願して成就し、伽藍がらんが再建された。天皇は勅使を遣わして妹宮を住職に任じ、勅願ちょくがん寺として「菅生山」の勅額を賜った。盛時には山内に48坊を数えたとされる。その後、天正の兵火で再び焼失したが、松山藩主の寄進で復興した。江戸中期には松平家の祈願所となったが、明治7年(1874年)に三度目の全焼を経験した。

弘法大師との関わり

弘仁13年(822年)、弘法大師こうぼうだいしがこの地を訪れて密教を修法し、四国八十八ヶ所しこくはちじゅうはっかしょの中札所ふだしょと定めたと伝わる。このとき天台宗だった寺を真言宗しんごんしゅうに改めたともいう。御詠歌ごえいかは十一面観音の大悲の恵みと、弥陀の本願誓願とを結び付けている。

おもな歴史
  • 飛鳥〜大宝元年(701年):明神右京・隼人が観音像を発見、文武天皇勅命で大宝寺創建と伝わる(伝承)
  • 弘仁13年(822年):弘法大師こうぼうだいしが修法し中札所ふだしょに定め、真言宗しんごんしゅうに改宗したと伝わる(伝承)
  • 仁平2年(1152年):全山焼失
  • 保元年間(1156〜1159年):後白河天皇の病気平癒祈願成就、伽藍がらん再建・妹宮住職・菅生山勅額
  • 天正期:兵火で焼失、藩主寄進で復興
  • 明治7年(1874年):三度目の全焼
  • 昭和9年(1934年):山中から掘出観音(金銅製)発見
お参りの前に

見どころ・伽藍

この札所の見どころ
  • 中札所ふだしょ八十八ヶ所のちょうど第44番、半分の節目として信仰される
  • 掘出観音昭和9年発見の金銅製観音像。病気・悪霊を「掘り起こす」信仰
  • 陵権現後白河天皇妹宮を祀る。勅使橋・勅額「菅生山」が残る
  • 芭蕉塚芭蕉33回忌法要の記念碑
  • 久万山農民一揆地域史と結び付く史跡
  • 山岳幽寂標高579メートル、老樹林立の境内
伽藍・主要堂宇
  • 本堂には本尊ほんぞんの十一面観世音菩薩が祀られる。
  • 掘出観音堂には、昭和9年に山中から発見された金銅製の観音像が安置される。樹齢千年余の木の根元で、法華経一字一石約130枚に覆われていたと伝わる。
  • 陵権現は後白河天皇の妹宮を祀り、廟墓と五輪塔、勅使橋の遺跡が残るとされる。
  • 芭蕉塚は、芭蕉33回忌の法要を営んだ際に建立された記念碑である。
  • 境内は老樹が立ち並び、標高579メートルの山岳部に静寂な空気を漂わせる。
  • 宿坊は約150人を収容でき、要予約で利用できる。
  • 第43番明石寺からの遍路へんろ道は、峠越えの長丁場として知られる。
奥の院・霊跡
  • 掘出観音の発見地は山中の樹根付近と伝わり、観音像発見の霊跡として信仰される。
  • 陵権現の陵・勅使橋は、後白河天皇ゆかりの史跡として境内外に残る。
文化財・寺宝
  • 掘出観音(金銅製):昭和9年発見。京都博物館の鑑定で平安後期〜鎌倉初期とされる
  • 法華経一字一石:約130枚の石に覆われて発見されたと伝わる
伝わるもの

信仰と物語

御本尊と信仰
  • 本尊ほんぞんの十一面観世音菩薩は、御詠歌ごえいかのとおり大悲の恵みと弥陀の本願を結び付ける信仰の中心である。
  • 掘出観音は、身体から病気や悪霊を「掘り起こして」くれる仏として信仰される。
  • 陵権現は、後白河天皇の病気平癒祈願の成就と妹宮信仰を象徴する。
  • 中札所ふだしょとして、遍路へんろの折り返し点・節目の霊場れいじょうとして参拝される。
伝説・説話
  • 明神右京・隼人が菅草の中から十一面観音像を見つけ、草庵を結んだという創建伝承がある。
  • 弘法大師こうぼうだいしが中札所ふだしょに定め、真言宗しんごんしゅうに改めたという寺伝が残る。
  • 後白河天皇の病気平癒祈願が成就し、48坊の僧堂坊舎が建立されたという保元期の逸話がある。
  • 昭和9年の掘出観音は、法華経一字一石に覆われて千年の木の根元から発見されたと伝わる。
文学・和歌
  • 御詠歌ごえいか「今の世は大悲のめぐみ菅生山 ついには弥陀の誓いをぞまつ」
  • 芭蕉塚は松尾芭蕉33回忌にちなむ。芭蕉ゆかりの法要記念として境内に残る。
  • 御詠歌の結句は、極楽・利益・守護など本尊ほんぞん信仰の要点を詠じ、参拝の心構えとして唱和される。
ゆかりの人物
  • 明神右京・隼人:大宝元年の開基と伝わる。
  • 弘法大師こうぼうだいし:弘仁13年の修法・中札所ふだしょ制定・真言宗しんごんしゅう改宗(伝承)。
  • 後白河天皇・妹宮:保元期の再興・陵権現・勅額「菅生山」。
  • 松山藩主・松平家:近世の復興と祈願所としての帰依。
訪ねる方へ

参拝の手引き

年中行事
  • 年中行事は霊場れいじょう会公式サイトを参照(独自公式HPなし)
  • 宿坊は約150人収容・要予約
参拝の実際
  • 駐車場はあり、無料。
  • 宿坊は約150人・要予約。
  • 第43番からの山道は峠越えで、長時間を要する。車利用が一般的。
周辺・遍路道
  • 前の第43番明石寺から約20km(峠越え)。次の第45番岩屋寺へ約10km。
  • 松山ICから国道33号線久万方面、久万警察署手前信号左折、県道12号線、久万公園前右折、久万美術館手前左折。
  • 久万高原町の山岳部に位置し、岩屋寺(第45番)への遍路へんろ区間の起点となる。
アクセス
  • 〒791-1205 愛媛県上浮穴郡久万高原町菅生2-1173
  • 0892-21-0044
  • あり(無料)
  • あり(150人・要予約)
公式・関連リンク
  • 四国八十八ヶ所霊場会ページ
  • 霊場会
大宝寺について

よくある質問

大宝寺は四国八十八ヶ所の何番札所ですか?
大宝寺(だいほうじ)は、四国八十八ヶ所霊場の第44番札所です。愛媛県上浮穴郡久万高原町にあり、伊予(菩提の道場)の札所に数えられます。正式には菅生山 大覚院 大宝寺と称し、宗派は真言宗豊山派です。
大宝寺の御本尊は何ですか?
大宝寺の御本尊は十一面観世音菩薩(じゅういちめんかんぜおんぼさつ)です。御真言は「おん まか きゃろにきゃ そわか」とおとなえします。
大宝寺の御詠歌を教えてください。
大宝寺の御詠歌は「今の世は大悲のめぐみ菅生山 ついには弥陀の誓いをぞまつ」です。今の世はこの菅生山大宝寺の十一面観音の大悲の恵みを受け、やがてはその導きで阿弥陀如来の本願による救いを待つのです。
大宝寺の住所と電話番号は?
所在地は〒791-1205 愛媛県上浮穴郡久万高原町菅生2-1173。電話は0892-21-0044です。
大宝寺に駐車場はありますか?
大宝寺の駐車場は、あり(150人・要予約)です。
大宝寺の前後の札所はどこですか?
前の第43番明石寺から約20.0km(峠越えの難所)。次の第45番岩屋寺へ約10.0km(久万高原内)。
大宝寺の納経時間は何時から何時までですか?
四国八十八ヶ所霊場会の定めにより、四国八十八ヶ所の納経時間は全札所共通で午前8時から午後5時までです(2024年4月1日改定。納経帳への朱印は500円)。
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あわせて読む

  • 十一面観世音菩薩とは|御本尊の意味・経典・ご利益を原典からたどる解説
  • はじめての四国遍路|意味・歴史・回り方・作法を一から
  • 四国八十八ヶ所 札所一覧|全札所の本尊・御詠歌・縁起・見どころ
  • 第22番札所 平等寺(阿南市)|このサイトを運営する札所
愛媛県・伊予(菩提の道場)の札所
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  • 第61番 香園寺
  • 第62番 宝寿寺
  • 第63番 吉祥寺
  • 第64番 前神寺
  • 第65番 三角寺
この記事の拠りどころ

出典

本文の確認に用いた公開資料と、札所別研究記録に記載された書誌情報です。公開本文のURLを確認できた資料はリンクし、書誌情報のみ確認できたものはその旨を明記しています。

第44番 菅生山 大覚院 大宝寺|(一社)四国八十八ヶ所霊場会(公式霊場案内)
Wikipedia「大宝寺」(日本語版)
kumakogenの公開ページ(kumakogen.jp)
『四国八十八ヶ所霊場先達教典』((一社)四国八十八ヶ所霊場会編・2006年|書誌情報)
宮﨑建樹『四国遍路ひとり歩き同行二人 解説編』第8版(へんろみち保存協力会・2017年|国立国会図書館書誌)
上野進「四国遍路と札所寺院―香川県の札所寺院調査から―」(『四国遍路と世界の巡礼』5・2020年|愛媛大学リポジトリ)
四国遍路総合研究(霊場資料学)(科学研究費助成事業 KAKEN23K20107|研究課題・成果一覧)
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