資材高騰で本年度予算を大幅に超過したため、本格的な構造物(竹曼荼羅荘厳塔)の建設は延期中です。
新型感染症物故者追悼ならびに世界平和を祈って、平等寺では竹曼荼羅を建立することになりました。
仕組みは単純。 1. 最初に竹を切り、10cm四方の竹パネルを制作します。2. 次に、仏さまを表す梵字の線をレーザープリンターでパネル表面に焼入れ。3. 竹灯籠の要領でインパクトドライバなどで線に沿って穴を開けると、仏さまの竹灯籠が完成します。
これを曼荼羅の仏さまの分だけ作って組み合わせると、高さ6m・横幅6mの巨大な曼荼羅に。
後ろからLEDで照射すれば、闇夜に両部の仏さまの世界が浮かび上がる、竹と光の曼荼羅です。
竹曼荼羅
宗教法人平等寺
協力:チャンネルバンくん
金剛界:令和5年12月22日
胎蔵界:令和6年2月10日
四国霊場第二十二番札所
平等寺大師堂横
日没から午後10時まで
新型感染症物故者追悼
世界平和
地域発展
高さ6m、横幅6mの構造体を2つ建設。表面の壁に竹曼荼羅を2つ設置。
向かって右は胎蔵生曼荼羅、左は金剛界曼荼羅。どちらも仏さまを文字で表した法曼荼羅。
竹のパネルは10cm四方。2つの曼荼羅で合わせて6000枚を超えるパネルを使用する。
チャンネルバンくんが主となって、10cm四方の竹パネルを制作していきます。切り出す作業、乾燥させる作業、油抜きなどかなりの重労働です。
竹にレーザープリンターで焼印を入れるためのデータを制作します。
この時期、希望するサポーターのみなさまには竹曼荼羅制作キットをお送りします。ご自宅でインパクトドライバーなどを用いて穴を開け、送り返してください(返信用レターパック同封)。
この時期の土日祝日などを利用して、平等寺において竹曼荼羅制作ワークショップを開催します。お寺にお越しくだされば説明を受けた上で仏さまの制作に関われます。
地元有志で仮の構造物を建設することとなりました。本番の建物は来年の夏頃を目指しています。
複数人の僧侶による盛大な法会です。竹曼荼羅は除夜の鐘の響きと共に点灯し、闇夜を照らします。
平等寺のある徳島県阿南市新野町は、筍の名産地です。以前は大阪への出荷量が日本一だったこともあり、現在でも新野産・阿南産の筍は有名です。また、青色発光ダイオードを世界で最初に発明した日亜化学工業さまも新野町発祥。四国の歴史文化遺産である四国八十八ヶ所の1つ平等寺に建立される竹曼荼羅は、光のまち・阿南を代表する観光資源の1つとなるでしょう。
年に十数万人のお遍路さんが訪れる阿南市は、夜に集客可能な観光資源がありません。竹曼荼羅を中心に、地元有志の皆さまと新たな観光資源をつくっていきます。
竹曼荼羅は耐久年数の関係で定期的に竹パネルを更新していきます。その都度新たな竹を切り出しますので、放置竹林の整備に役立ちます。
新型感染症克服
と世界平和
みなさん、こんにちは
平等寺住職の谷口真梁(たにぐちしんりょう)と申します。
当寺は今から1200年前に弘法大師空海によって開創された仏教寺院で、四国八十八ヶ所の1つです(二十二番札所)。八十八ヶ所を巡礼するお遍路さんの数は年におよそ10万人で、近年は世界中から巡礼に訪れています。
ところがこの3年、巡礼者が激減いたしました。皆さまご承知のとおり、新型感染症の影響です。
今にして思えば甘く考えていたのですが、基本的には待っていればお遍路さんが来てくれるということで、平等寺はお越しくださる方への宗教活動を中心に行ってきました。
結果、誰も来ない。とても困りました。
お寺は、人と関わって、少しでも安らかな心持ちを持っていただくのが役目ですので、どうしたものか。
そこで、とりあえずものは試しにと、オンラインでの参拝が可能なようライブ配信を始めてみました。思った以上に悩んでいる人はいて、徐々に視聴者数は増えていきました。
ライブ配信をご覧の皆さまと交流を続けていく中で、一緒に何かを作りたいという話しが出ました。
実は3年も前に竹で曼荼羅を作ったらいいよね!となっていたのですが、さまざま話し合いを続け、今回、チャンネルバンくんや地元有志の皆さまのちからを得て、ようやくこのような形に整った次第です。
もうお忘れかもしれませんが、緊急事態宣言が出ていたころ、新型感染症に罹患していた人が亡くなると、家族は最後の看取りもできないまま、火葬され、その後に葬儀を行っていました。私は志村けんさんの大ファンなのですが、あんな有名な方でもそうでした。
また、普通のお葬儀でも、参加者は家族だけということが一般的になりました。新聞のお悔やみ欄にもほとんど掲載されないので、極端な例では、隣の人が亡くなっても一ヶ月経ってはじめて知るということもあったようです。
施設に入っている親の顔をみることなく、遺影で久しぶりに対面したという方もいらっしゃいました。
このような話しを聞くたび、宗教者としてもっとできることはないのかと、悔しく不甲斐ない思いをする日々でした。
今回建立する竹の曼荼羅は、供養の曼荼羅です。
世界中で、本当に多くの方が新型感染症によっていのちを失い、家族を失いました。いまだ後遺症で悩んでいる方もいらっしゃいます。経済的な影響などさまざまな二次被害を受けた方もあったでしょう。
こういった皆さまのお心を少しでも安らかなものにしたいとの思いで、今回、曼荼羅の建立を発願いたしました。
曼荼羅とは、たくさんの仏さまや神さまが仲良く集まっている図で、これをみるだけであらゆる災いが消えるともいわれます。
完成すれば高さ6m、横幅6mという巨大なものになります。それを2つ。これだけ大きなものから光が溢れてくる様子を想像してみてください。私は今から楽しみでなりません。
この仏さまの光を受ける人が、少しでも心安らかになってくださることを願っています。
この曼荼羅は、多くの方々と共同で作っていきます。地域の皆さまや全世界からお越しのお遍路さん、配信をご覧の皆さま、小さな子どもからおっさんおばさんまで、みんなで1つのものを作りましょう。
完成した後は、さらに多くの人が訪れてくれる地域となるよう、様々な取り組みを提案していきたく存じます。また、すでにそのような声も頂戴しています。ありがたいことです。
一部地域では紛争が続いていますが、仏さまがみんな仲良く集まっている曼荼羅のように、少しでも世界平和へと繋がっていくよう、四国の右下よりお祈りしています。
皆さまからのご協力、お待ちしております。合掌
令和5年6月16日
高野山真言宗準別格本山
四国霊場第二十二番札所
白水山平等寺
第26世住職 谷口 真梁