第41番 稲荷山 護国院 龍光寺

竜光寺
本尊十一面観世音菩薩
おん まか きゃろにきゃ そわか
御詠歌この神は三国流布の密教を 守り給わむ誓いとぞ聞く
はじめての方へ|この記事に出てくる言葉
- 本尊
- そのお寺がいちばん大切におまつりする、中心の仏さま。
- 御真言
- 本尊に呼びかける、サンスクリットに由来する短い聖なる言葉。
- 御詠歌
- その札所をたたえ、巡る心をうたった和歌。
- 縁起
- そのお寺の始まりや、いわれを伝える言い伝え。
- 札所
- お参りするお寺のこと。四国遍路では四国八十八ヶ所をめぐる。
- 大師堂
- 弘法大師(お大師さま)をおまつりするお堂。本堂とあわせてお参りする。
- 奥の院
- 札所の近くにある、もう一つの聖地。旧境内や、大師が修行したと伝わる岩や滝など。
- 結願
- 八十八ヶ所すべてを巡り終えること。「満願」ともいう。
- 四つの道場
- 四国の四県を、心の旅の四段階になぞらえた呼び名。阿波=発心、土佐=修行、伊予=菩提、讃岐=涅槃。
八十八ヶ所のなかの位置
八十八ヶ所の道のりで、第41番は 愛媛県(伊予・菩提の道場)にあります。阿波23・土佐16・伊予26・讃岐23ヶ寺のうち、全体では41番目です。

縁起と歴史
稲荷山 護国院 龍光寺は宇和島城下から北東へ約10キロメートル、三間平野にある。地元では「三間のお稲荷さん」と親しまれてきた。神仏習合の面影を色濃く伝える霊場で、山門が鳥居になっているのが象徴的である。山門をくぐると、仁王像に代わって狛犬が迎える。境内には狐とお地蔵さんの石像が並び、仏と神が同じ場所に祀られている。縁起によれば、大同2年(807年)に弘法大師が訪ねた際、稲束を背負った白髪の老人が現れ、「われこの地に住み、法教を守護し、諸民を利益せん」と告げて忽然と姿を消した。大師はこれを五穀大明神の化身と悟り、稲荷明神像を彫造して安置した。あわせて本地仏の十一面観世音菩薩、脇侍の不動明王と毘沙門天も造像し、「稲荷山龍光寺」と号して四国霊場の総鎮守として開創したと伝わる。創建のときから神仏習合の寺であったが、明治の廃仏毀釈により旧本堂は「稲荷社」となった。新しい本堂には十一面観音を本尊とし、弘法大師が勧請した稲荷明神もあわせて祀っている。三間平野では毎年11月ごろにコスモス祭りが開かれる。
弘法大師との関わり
大同2年(807年)、稲束を背負った老人(五穀大明神の化身)と出会い、稲荷明神像を彫造し、十一面観音を本地仏として、四国霊場の総鎮守となる寺を開創したと伝わる。新しい本堂には、大師が勧請した稲荷明神が十一面観音の隣に祀られている。
- 大同2年(807年):弘法大師が五穀大明神の化身と出会い、稲荷明神・十一面観音などを安置して開創したと伝わる
- 中世〜近世:神仏習合の稲荷寺として信仰が保たれる
- 明治:廃仏毀釈により旧本堂が稲荷社になる
- 昭和39年(1964年):全国の信徒の浄財で本堂を再建
- 平成5年(1993年):総檜造りの大師堂を建立。回廊に四国八十八ヶ所のお砂踏を設ける
見どころ・伽藍
- 鳥居山門四国霊場でも珍しい、稲荷型の入口
- 神仏習合狐と地蔵、狛犬、稲荷明神と観音をともに祀る
- お砂踏大師堂の回廊で四国88札所のお砂を踏める
- 名号宝判「南無阿弥陀仏」の宝判を授与
- コスモス祭り11月ごろ、三間平野で
- 本堂は、明治の廃仏毀釈ののち、昭和39年に全国の信徒の浄財で再建された。稲荷大明神の本地仏である十一面観音菩薩が本尊で、その隣に弘法大師が勧請した稲荷大明神もあわせて祀られている。
- 大師堂は平成5年に総檜の宝形造りで建立された。回廊では四国八十八ヶ所のお砂踏ができる。
- 山門は鳥居の形で、狛犬が守る。旧本堂は稲荷社として残っている。
- 境内には狐とお地蔵さんの石像が並び、神仏習合の面影が濃い。
- 稲荷社(旧本堂)が、神の側の霊跡として境内に残る。
- 五穀大明神の化身が現れた地として、三間平野全体が霊域とされる。
- 奥の院や別院の有無、参拝のルールは、季節や工事で変わる場合がある。現地の案内板を確認すること。
- OUV特記:稲荷神社の境内と一体(神仏習合)
- 所在地(OUV表):宇和島市三間町
信仰と物語
- 本尊の十一面観音は稲荷明神の本地仏であり、五穀豊穣や商売繁盛の信仰と結び付いている。
- 御詠歌は、三国に流布する密教を守護する神の誓いを詠う。
- お砂踏は、八十八ヶ所巡礼を凝縮して体験できるものとして親しまれている。
- 稲束を背負った白髪の老人が忽然と消え、五穀大明神の化身だったとする伝承。
- 四国霊場の総鎮守として寺号を定めたという話。
- 縁起の逸話は寺伝・地域の伝承として広く語られるが、なかには史実かどうか学術的な検討が必要なものも含まれる。
- 御詠歌「この神は三国流布の密教を 守り給わむ誓いとぞ聞く」
- 御詠歌の結句は、極楽・利益・守護など本尊信仰の要点を詠み、参拝の心構えとして唱和される。
- 境内に句碑や歌碑があれば、巡礼文学・地域文化の層として参照できる(要現地確認)。
- 弘法大師:開基と伝わる。
- 伊達家:宇和島藩主として、近世に帰依した(地域史)。
- 土佐・伊予の藩主や領主が、近世に祈願所として帰依したと伝わる場合がある(寺伝・地域史)。
参拝の手引き
- 年中行事は霊場会の公式サイトを参照。
- 11月ごろ:三間平野でコスモス祭り(地域行事)
- 駐車場:あり
- 宿坊:なし
- JR卯之町駅から42番仏木寺の方面へ進み、利地池の手前の交差点を左折、さらに2回左折すると左手に。
- 第42番仏木寺まで約3km。三間平野は宇和島市街から北東へ約10km。
- OUV特記:稲荷神社の境内と一体(神仏習合)
- 〒798-1115 愛媛県宇和島市三間町戸雁173
- 0895-58-2186
- あり
出典
本文の確認に用いた公開資料と、札所別研究記録に記載された書誌情報です。公開本文のURLを確認できた資料はリンクし、書誌情報のみ確認できたものはその旨を明記しています。


