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四国八十八ヶ所 ・ 愛媛県(伊予・菩提の道場)

第41番 稲荷山 護国院 龍光寺

稲荷山の龍光寺。稲荷神社の境内と一体になった、神仏習合の霊場れいじょう 御本尊ごほんぞんは十一面観世音菩薩です。 愛媛県・伊予の第41番札所ふだしょです。
第41番 稲荷山 護国院 龍光寺 境内
境内(Reggaeman / CC BY-SA 3.0)
第41番

竜光寺

本尊十一面観世音菩薩

おん まか きゃろにきゃ そわか

御詠歌この神は三国流布の密教を 守り給わむ誓いとぞ聞く

愛媛県・伊予菩提の道場真言宗御室派
はじめての方へ|この記事に出てくる言葉
本尊ほんぞん
そのお寺がいちばん大切におまつりする、中心の仏さま。
御真言ごしんごん
本尊に呼びかける、サンスクリットに由来する短い聖なる言葉。
御詠歌ごえいか
その札所をたたえ、巡る心をうたった和歌。
縁起えんぎ
そのお寺の始まりや、いわれを伝える言い伝え。
札所ふだしょ
お参りするお寺のこと。四国遍路では四国八十八ヶ所をめぐる。
大師堂だいしどう
弘法大師(お大師さま)をおまつりするお堂。本堂とあわせてお参りする。
奥の院おくのいん
札所の近くにある、もう一つの聖地。旧境内や、大師が修行したと伝わる岩や滝など。
結願けちがん
八十八ヶ所すべてを巡り終えること。「満願まんがん」ともいう。
四つの道場
四国の四県を、心の旅の四段階になぞらえた呼び名。阿波=発心ほっしん、土佐=修行しゅぎょう、伊予=菩提ぼだい、讃岐=涅槃ねはん。

 

  1. 縁起と歴史
  2. 見どころ・伽藍
  3. 信仰と物語
  4. 参拝の手引き
  5. 出典

八十八ヶ所のなかの位置

徳島県発心の道場1〜23
高知県修行の道場24〜39
愛媛県菩提の道場40〜65
香川県涅槃の道場66〜88
41

八十八ヶ所の道のりで、第41番は 愛媛県(伊予・菩提の道場)にあります。阿波23・土佐16・伊予26・讃岐23ヶ寺のうち、全体では41番目です。

第41番は愛媛県・菩提の道場。
十一面観音(十一面観音像(国宝・法起寺伝来))
「十一面観音像」(国宝・法起寺伝来)奈良国立博物館蔵 出典: Wikimedia Commons(パブリックドメイン)
所在地〒798-1115 愛媛県宇和島市三間町戸雁173
前後の札所前の第40番観自在寺から約15.0km。次の第42番仏木寺へ約3.0km。
この寺の成り立ち

縁起と歴史

稲荷山 護国院 龍光寺は宇和島城下から北東へ約10キロメートル、三間平野にある。地元では「三間のお稲荷さん」と親しまれてきた。神仏習合の面影を色濃く伝える霊場れいじょうで、山門が鳥居になっているのが象徴的である。山門をくぐると、仁王像に代わって狛犬が迎える。境内には狐とお地蔵さんの石像が並び、仏と神が同じ場所に祀られている。縁起えんぎによれば、大同2年(807年)に弘法大師こうぼうだいしが訪ねた際、稲束を背負った白髪の老人が現れ、「われこの地に住み、法教を守護し、諸民を利益せん」と告げて忽然と姿を消した。大師はこれを五穀大明神の化身と悟り、稲荷明神像を彫造して安置した。あわせて本地仏の十一面観世音菩薩、脇侍の不動明王と毘沙門天も造像し、「稲荷山龍光寺」と号して四国霊場の総鎮守として開創したと伝わる。創建のときから神仏習合の寺であったが、明治の廃仏毀釈により旧本堂は「稲荷社」となった。新しい本堂には十一面観音を本尊ほんぞんとし、弘法大師が勧請した稲荷明神もあわせて祀っている。三間平野では毎年11月ごろにコスモス祭りが開かれる。

弘法大師との関わり

大同2年(807年)、稲束を背負った老人(五穀大明神の化身)と出会い、稲荷明神像を彫造し、十一面観音を本地仏として、四国霊場れいじょうの総鎮守となる寺を開創したと伝わる。新しい本堂には、大師が勧請した稲荷明神が十一面観音の隣に祀られている。

おもな歴史
  • 大同2年(807年):弘法大師こうぼうだいしが五穀大明神の化身と出会い、稲荷明神・十一面観音などを安置して開創したと伝わる
  • 中世〜近世:神仏習合の稲荷寺として信仰が保たれる
  • 明治:廃仏毀釈により旧本堂が稲荷社になる
  • 昭和39年(1964年):全国の信徒の浄財で本堂を再建
  • 平成5年(1993年):総檜造りの大師堂だいしどうを建立。回廊に四国八十八ヶ所しこくはちじゅうはっかしょのお砂踏を設ける
お参りの前に

見どころ・伽藍

この札所の見どころ
  • 鳥居山門四国霊場れいじょうでも珍しい、稲荷型の入口
  • 神仏習合狐と地蔵、狛犬、稲荷明神と観音をともに祀る
  • お砂踏大師堂だいしどうの回廊で四国88札所ふだしょのお砂を踏める
  • 名号宝判「南無阿弥陀仏」の宝判を授与
  • コスモス祭り11月ごろ、三間平野で
伽藍・主要堂宇
  • 本堂は、明治の廃仏毀釈ののち、昭和39年に全国の信徒の浄財で再建された。稲荷大明神の本地仏である十一面観音菩薩が本尊ほんぞんで、その隣に弘法大師こうぼうだいしが勧請した稲荷大明神もあわせて祀られている。
  • 大師堂だいしどうは平成5年に総檜の宝形造りで建立された。回廊では四国八十八ヶ所しこくはちじゅうはっかしょのお砂踏ができる。
  • 山門は鳥居の形で、狛犬が守る。旧本堂は稲荷社として残っている。
  • 境内には狐とお地蔵さんの石像が並び、神仏習合の面影が濃い。
奥の院・霊跡
  • 稲荷社(旧本堂)が、神の側の霊跡として境内に残る。
  • 五穀大明神の化身が現れた地として、三間平野全体が霊域とされる。
文化財・寺宝
  • OUV特記:稲荷神社の境内と一体(神仏習合)
  • 所在地(OUV表):宇和島市三間町
伝わるもの

信仰と物語

御本尊と信仰
  • 本尊ほんぞんの十一面観音は稲荷明神の本地仏であり、五穀豊穣や商売繁盛の信仰と結び付いている。
  • 御詠歌ごえいかは、三国に流布する密教を守護する神の誓いを詠う。
  • お砂踏は、八十八ヶ所巡礼を凝縮して体験できるものとして親しまれている。
伝説・説話
  • 稲束を背負った白髪の老人が忽然と消え、五穀大明神の化身だったとする伝承。
  • 四国霊場れいじょうの総鎮守として寺号を定めたという話。
  • 縁起えんぎの逸話は寺伝・地域の伝承として広く語られるが、なかには史実かどうか学術的な検討が必要なものも含まれる。
文学・和歌
  • 御詠歌ごえいか「この神は三国流布の密教を 守り給わむ誓いとぞ聞く」
  • 御詠歌の結句は、極楽・利益・守護など本尊ほんぞん信仰の要点を詠み、参拝の心構えとして唱和される。
  • 境内に句碑や歌碑があれば、巡礼文学・地域文化の層として参照できる(要現地確認)。
ゆかりの人物
  • 弘法大師こうぼうだいし:開基と伝わる。
  • 伊達家:宇和島藩主として、近世に帰依した(地域史)。
  • 土佐・伊予の藩主や領主が、近世に祈願所として帰依したと伝わる場合がある(寺伝・地域史)。
訪ねる方へ

参拝の手引き

年中行事
  • 11月ごろ:三間平野でコスモス祭り(地域行事)
参拝の実際
  • 駐車場:あり
  • 宿坊:なし
周辺・遍路道
  • JR卯之町駅から42番仏木寺の方面へ進み、利地池の手前の交差点を左折、さらに2回左折すると左手に。
  • 第42番仏木寺まで約3km。三間平野は宇和島市街から北東へ約10km。
アクセス
  • 〒798-1115 愛媛県宇和島市三間町戸雁173
  • 0895-58-2186
  • あり
公式・関連リンク
  • 四国八十八ヶ所霊場会ページ
  • 霊場会
この記事の拠りどころ

出典

本文の確認に用いた公開資料と、札所別研究記録に記載された書誌情報です。公開本文のURLを確認できた資料はリンクし、書誌情報のみ確認できたものはその旨を明記しています。

Wikipedia「龍光寺 (宇和島市)」(日本語版)
第41番 稲荷山 護国院 龍光寺|(一社)四国八十八ヶ所霊場会(公式霊場案内)
『四国八十八ヶ所霊場先達教典』((一社)四国八十八ヶ所霊場会編・2006年|書誌情報)
宮﨑建樹『四国遍路ひとり歩き同行二人 解説編』第8版(へんろみち保存協力会・2017年|国立国会図書館書誌)
上野進「四国遍路と札所寺院―香川県の札所寺院調査から―」(『四国遍路と世界の巡礼』5・2020年|愛媛大学リポジトリ)
四国遍路総合研究(霊場資料学)(科学研究費助成事業 KAKEN23K20107|研究課題・成果一覧)
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