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四国八十八ヶ所 ・ 愛媛県(伊予・菩提の道場)

第50番札所 東山 瑠璃光院 繁多寺

繁多寺はんたじは、愛媛県松山市にある真言宗しんごんしゅう豊山派の寺院で、四国八十八ヶ所しこくはちじゅうはっかしょ霊場れいじょうの第50番札所ふだしょです。 山号は東山、院号は瑠璃光院。 御本尊ごほんぞんは薬師如来やくしにょらいです。 松山城を望む高台に建つ繁多寺。お接待調査の標本地点としても知られる。
第50番 東山 瑠璃光院 繁多寺 境内
境内(CT-May / CC0)
第50番

繁多寺

本尊薬師如来

おん ころころ せんだり まとうぎ そわか

御詠歌よろずこそ繁多なりとも怠らず 諸病なかれと望み祈れよ

愛媛県・伊予菩提の道場真言宗豊山派
はじめての方へ|この記事に出てくる言葉
本尊ほんぞん
そのお寺がいちばん大切におまつりする、中心の仏さま。
御真言ごしんごん
本尊に呼びかける、サンスクリットに由来する短い聖なる言葉。
御詠歌ごえいか
その札所をたたえ、巡る心をうたった和歌。
縁起えんぎ
そのお寺の始まりや、いわれを伝える言い伝え。
札所ふだしょ
お参りするお寺のこと。四国遍路では四国八十八ヶ所をめぐる。
大師堂だいしどう
弘法大師(お大師さま)をおまつりするお堂。本堂とあわせてお参りする。
奥の院おくのいん
札所の近くにある、もう一つの聖地。旧境内や、大師が修行したと伝わる岩や滝など。
結願けちがん
八十八ヶ所すべてを巡り終えること。「満願まんがん」ともいう。
四つの道場
四国の四県を、心の旅の四段階になぞらえた呼び名。阿波=発心ほっしん、土佐=修行しゅぎょう、伊予=菩提ぼだい、讃岐=涅槃ねはん。

 

  1. 基本情報
  2. 縁起と歴史
  3. 見どころ・伽藍
  4. 信仰と物語
  5. 参拝の手引き
  6. よくある質問
  7. あわせて読む
  8. 出典

八十八ヶ所のなかの位置

徳島県発心の道場1〜23
高知県修行の道場24〜39
愛媛県菩提の道場40〜65
香川県涅槃の道場66〜88
50

八十八ヶ所の道のりで、第50番は 愛媛県(伊予・菩提の道場)にあります。阿波23・土佐16・伊予26・讃岐23ヶ寺のうち、全体では50番目です。

第50番は愛媛県・菩提の道場。
薬師如来(薬師十二神将像)
「薬師十二神将像」高野山櫻池院蔵 出典: Wikimedia Commons(パブリックドメイン)
札所番号・本尊・所在地

基本情報

札所番号四国八十八ヶ所霊場 第50番札所(愛媛県・伊予、菩提の道場)
寺名繁多寺(はんたじ)
山号・院号東山 瑠璃光院
宗派真言宗豊山派
御本尊薬師如来(やくしにょらい)
御真言おん ころころ せんだり まとうぎ そわか
御詠歌よろずこそ繁多なりとも怠らず 諸病なかれと望み祈れよ
所在地〒790-0912 愛媛県松山市畑寺町32
電話089-975-0910
納経時間午前8時から午後5時まで(霊場会の定める全札所共通の時間。納経帳への朱印は500円、2024年4月1日改定)
前後の札所前の第49番浄土寺から約2.5km。次の第51番石手寺へ約4.0km。
霊場会の案内繁多寺|(一社)四国八十八ヶ所霊場会
この寺の成り立ち

縁起と歴史

東山 瑠璃光院 繁多寺は松山城・市街・瀬戸内海まで一望できる高台にあり、境内の周辺は景観樹林保護地区に指定されている。縁起えんぎによれば、天平勝宝年間に孝謙天皇(在位749〜758年)の勅願ちょくがんにより行基ぎょうき菩薩が薬師如来像を彫造して建立したという。天皇から祭具の幡を賜ったことが寺名の由来になったという説もある。弘仁年間(810〜824年)には弘法大師こうぼうだいしが巡錫し、寺に逗留した。その後、伊予国司の源頼義や僧の堯蓮の援助で再興し、弘安2年(1279年)には後宇多天皇の勅命を受けて聞月上人が蒙古軍の撃退を祈祷した。時宗開祖の一遍上人(1239〜1289年)は青年期に有縁のこの寺で参籠修行し、晩年の正応元年(1288年)には亡父・如仏が所蔵していた『浄土三部経』を奉納している。天皇家の菩提ぼだい寺である京都の泉涌寺とのゆかりも深く、応永2年(1395年)には後小松天皇の勅命で泉涌寺26世の快翁和尚が繁多寺第7世住職となった。境内には16弁のご紋章瓦が残る。江戸期には徳川家の帰依を受け、四代将軍・家綱の念持仏であった歓喜天を祀るなど、36坊・末寺100余を擁する大寺として栄えた。

弘法大師との関わり

弘仁年間(810〜824年)に弘法大師こうぼうだいしがこの地を巡錫し、寺に逗留したと伝わる。御詠歌ごえいかの「繁多」は、世事の多忙さの中でも病除けの祈りを怠らぬ教えと結び付けられる。

おもな歴史
  • 天平勝宝年間:孝謙天皇勅願ちょくがん、行基ぎょうき開創(伝承)
  • 弘仁年間(810〜824年):弘法大師こうぼうだいし巡錫
  • 弘安2年(1279年):聞月上人、後宇多天皇勅命で蒙古軍撃退祈祷
  • 正応元年(1288年):一遍上人、『浄土三部経』奉納
  • 応永2年(1395年):快翁和尚が第7世住職(泉涌寺26世)
  • 江戸期:徳川家綱の念持仏・歓喜天、36坊100余末寺(伝承)
  • 近代:お接待調査の標本地点として遍路へんろ研究に言及
お参りの前に

見どころ・伽藍

この札所の見どころ
  • 歓喜天像本堂左手の聖天堂に安置。家綱公の念持仏。夫婦和合・商売繁盛・厄除
  • 二十四孝天井絵聖天堂の天井
  • 接待一万人石柱山門前。お遍路へんろ10,000人の接待成就を記念する碑
  • 眺望松山城・瀬戸内海・景観樹林保護地区
  • 甘茶接待4月8日の花まつり
伽藍・主要堂宇
  • 歓喜天像は本堂左手の聖天堂に安置されている。四代将軍・家綱公の念持仏と伝わり、富貴・厄除・夫婦和合・商売繁盛のご利益を願う信仰があるという。
  • 聖天堂の天井には二十四孝図が描かれている。
  • 山門前の石柱の裏側に「接待一万人」の碑があり、お遍路へんろ10,000人の接待を成就した記念とされる。
  • 高台から松山城と市街、瀬戸内海を望む。
奥の院・霊跡
  • 泉涌寺・快翁和尚ゆかりの16弁紋章瓦。
文化財・寺宝
  • OUV特記:平野部
  • 所在地(OUV表):松山市畑寺町
伝わるもの

信仰と物語

御本尊と信仰
  • 御詠歌ごえいかは本尊ほんぞんの薬師如来に諸病除けを祈り、繁多な世事の中でも怠らぬ信仰を説く。
  • 歓喜天は江戸期以来の庶民信仰の中心。
  • お接待文化の標本地点として、現代の遍路へんろ研究にも登場する。
伝説・説話
  • 幡を賜って「繁多寺」と名付けられたという説。
  • 聞月上人による蒙古軍撃退の祈祷。
  • 縁起えんぎの逸話は寺伝・地域伝承として広く語られるが、史実性には学術的検討が必要なものを含む。
文学・和歌
  • 御詠歌ごえいか「よろずこそ繁多なりとも怠らず 諸病なかれと望み祈れよ」
  • 御詠歌の結句は極楽・利益・守護など本尊ほんぞん信仰の要点を詠じ、参拝の心構えとして唱和される。
  • 境内に句碑・歌碑があれば、巡礼文学・地域文化の層として参照できる(要現地確認)。
ゆかりの人物
  • 行基ぎょうき菩薩:開基と伝わる。
  • 弘法大師こうぼうだいし:弘仁年間の巡錫。
  • 一遍上人:参籠・経典奉納。
  • 快翁和尚:泉涌寺26世、第7世住職。
  • 徳川家綱:歓喜天念持仏の伝承。
訪ねる方へ

参拝の手引き

年中行事
  • 4月8日:花まつり(甘茶接待)
  • 8月24日:地蔵盆(子供相撲大会)
  • 毎月16日:歓喜天縁日
  • 1月16日・8月16日:歓喜天大般若祈祷会
参拝の実際
  • 駐車場:あり(無料)
  • 宿坊:なし
  • 4月8日の甘茶接待は人出あり
周辺・遍路道
  • 松山ICから環状線経由、畑寺バス停を越えて約600メートル。
  • 第49番浄土寺から約2.5km、第51番石手寺へ約4km。
  • OUV特記:平野部
アクセス
  • 〒790-0912 愛媛県松山市畑寺町32
  • 089-975-0910
  • あり(無料)
公式・関連リンク
  • 四国八十八ヶ所霊場会ページ
  • 霊場会
繁多寺について

よくある質問

繁多寺は四国八十八ヶ所の何番札所ですか?
繁多寺(はんたじ)は、四国八十八ヶ所霊場の第50番札所です。愛媛県松山市にあり、伊予(菩提の道場)の札所に数えられます。正式には東山 瑠璃光院 繁多寺と称し、宗派は真言宗豊山派です。
繁多寺の御本尊は何ですか?
繁多寺の御本尊は薬師如来(やくしにょらい)です。御真言は「おん ころころ せんだり まとうぎ そわか」とおとなえします。
繁多寺の御詠歌を教えてください。
繁多寺の御詠歌は「よろずこそ繁多なりとも怠らず 諸病なかれと望み祈れよ」です。世の中の用事がどれほど繁多であっても、怠ることなく、諸々の病が起こらぬようにと願い祈り続けよ。
繁多寺の住所と電話番号は?
所在地は〒790-0912 愛媛県松山市畑寺町32。電話は089-975-0910です。
繁多寺の前後の札所はどこですか?
前の第49番浄土寺から約2.5km。次の第51番石手寺へ約4.0km。
繁多寺の納経時間は何時から何時までですか?
四国八十八ヶ所霊場会の定めにより、四国八十八ヶ所の納経時間は全札所共通で午前8時から午後5時までです(2024年4月1日改定。納経帳への朱印は500円)。
平等寺オンラインの関連ページ

あわせて読む

  • 薬師如来とは|御本尊の意味・経典・ご利益を原典からたどる解説
  • はじめての四国遍路|意味・歴史・回り方・作法を一から
  • 四国八十八ヶ所 札所一覧|全札所の本尊・御詠歌・縁起・見どころ
  • 第22番札所 平等寺(阿南市)|このサイトを運営する札所
愛媛県・伊予(菩提の道場)の札所
  • 第40番 観自在寺
  • 第41番 竜光寺
  • 第42番 佛木寺
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  • 第61番 香園寺
  • 第62番 宝寿寺
  • 第63番 吉祥寺
  • 第64番 前神寺
  • 第65番 三角寺
この記事の拠りどころ

出典

本文の確認に用いた公開資料と、札所別研究記録に記載された書誌情報です。公開本文のURLを確認できた資料はリンクし、書誌情報のみ確認できたものはその旨を明記しています。

四国ツーリズム「公式観光情報」(四国ツーリズム創造機構)
いよ観ネット「愛媛県公式観光サイト」(愛媛県観光物産協会)
松山観光コンベンション協会「公式観光情報」(松山市の観光案内)
第50番 東山 瑠璃光院 繁多寺|(一社)四国八十八ヶ所霊場会(公式霊場案内)
『四国八十八ヶ所霊場先達教典』((一社)四国八十八ヶ所霊場会編・2006年|書誌情報)
宮﨑建樹『四国遍路ひとり歩き同行二人 解説編』第8版(へんろみち保存協力会・2017年|国立国会図書館書誌)
上野進「四国遍路と札所寺院―香川県の札所寺院調査から―」(『四国遍路と世界の巡礼』5・2020年|愛媛大学リポジトリ)
四国遍路総合研究(霊場資料学)(科学研究費助成事業 KAKEN23K20107|研究課題・成果一覧)
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