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  5. 矢印第18番 恩山寺
四国八十八ヶ所 ・ 徳島県(阿波・発心の道場)

第18番 母養山 宝樹院 恩山寺

大師が母のために女人禁制を解いたと伝わる、孝行の寺 御本尊ごほんぞんは薬師如来です。 徳島県・阿波の第18番札所ふだしょです。
第18番 母養山 宝樹院 恩山寺 参道入口
参道入口(写真提供:ユリカモメ)
第18番

恩山寺

本尊薬師如来

おん ころころ せんだり まとうぎ そわか

御詠歌子を生める その父母の恩山寺 訪らひがたきことはあらじな

徳島県・阿波発心の道場高野山真言宗
はじめての方へ|この記事に出てくる言葉
本尊ほんぞん
そのお寺がいちばん大切におまつりする、中心の仏さま。
御真言ごしんごん
本尊に呼びかける、サンスクリットに由来する短い聖なる言葉。
御詠歌ごえいか
その札所をたたえ、巡る心をうたった和歌。
縁起えんぎ
そのお寺の始まりや、いわれを伝える言い伝え。
札所ふだしょ
お参りするお寺のこと。四国遍路では四国八十八ヶ所をめぐる。
大師堂だいしどう
弘法大師(お大師さま)をおまつりするお堂。本堂とあわせてお参りする。
奥の院おくのいん
札所の近くにある、もう一つの聖地。旧境内や、大師が修行したと伝わる岩や滝など。
結願けちがん
八十八ヶ所すべてを巡り終えること。「満願まんがん」ともいう。
四つの道場
四国の四県を、心の旅の四段階になぞらえた呼び名。阿波=発心ほっしん、土佐=修行しゅぎょう、伊予=菩提ぼだい、讃岐=涅槃ねはん。

 

  1. 縁起と歴史
  2. 見どころ・伽藍
  3. 信仰と物語
  4. 参拝の手引き
  5. 出典

八十八ヶ所のなかの位置

徳島県発心の道場1〜23
高知県修行の道場24〜39
愛媛県菩提の道場40〜65
香川県涅槃の道場66〜88
18

八十八ヶ所の道のりで、第18番は 徳島県(阿波・発心の道場)にあります。阿波23・土佐16・伊予26・讃岐23ヶ寺のうち、全体では18番目です。

第18番は徳島県・発心の道場。
薬師如来(薬師十二神将像)
「薬師十二神将像」高野山櫻池院蔵 出典: Wikimedia Commons(パブリックドメイン)
所在地〒773-0008 徳島県小松島市田野町字恩山寺谷40
前後の札所前の17番井戸寺から約19.0km。次の19番立江寺へ約4.0km(阿波十八ヶ寺結願・小松島方面)。
この寺の成り立ち

縁起と歴史

小松島市の郊外、樹林の心地よい小高い山にあり、県指定の風致地区に位置する。縁起えんぎによれば、聖武天皇(在位724〜49)の勅願ちょくがんによって行基ぎょうき菩薩が草創し、当時は「大日山福生院密厳寺」と号したと伝わる。本尊ほんぞんには行基菩薩が彫造した薬師如来像が安置され、災厄や悪疫を救う女人禁制の道場であった。十九番霊場れいじょうへ下る「花折り坂」より上には、女性が入ることを許されていなかったという。延暦年間(782〜806)、弘法大師こうぼうだいしがこの寺で修行していたころのことと伝わる。大師の生母・玉依御前が讃岐の善通寺から訪ねてきた。だが寺は女人禁制であったため、大師は山門近くの瀧にうたれて7日間の秘法を修し、女人解禁の祈願を成就して母君を迎えることができたとされる。

やがて母君は剃髪し、その髪を奉納された。そこで大師は山号寺名を「母養山恩山寺」と改め、自像を彫造して安置し、「我が願いは末世薄福の衆生の難厄を除かん」と誓われたという。弘仁5年(814)ころのことと伝えられる。

寺は「天正の兵火」で焼失したが、江戸時代に阿波藩主の庇護を受けて繁栄し、現在の本堂や大師堂だいしどうは文化、文政年間(1804〜30)ころに建立された由緒ある建造物である。境内には玉依御前を祀る小堂があり、母君への孝養として大師が植えた「びらんじゅ」は、県の天然記念物にもなっている。母君を慕いつづけた大師のこころが、いまも宿っているような寺である。

大師の母・玉依御前は、讃岐の善通寺から遠路はるばる息子に会いにこの地まで来たと伝わります。しかし恩山寺は女人禁制の山でした。大師は母を迎え入れるため、境内の奥にある「花折り岩」の滝で7日間の水行と、女人禁制を解く秘法を修め、ようやく禁を解いたとされています。入山を許された母はこの寺で剃髪して出家を遂げ、その髪は今も「玉依御前の剃髪所跡」に大切に安置されています。山号「母養山」・寺名「恩山寺」は、母の恩に報いるという意味を込めて大師みずから改めたものと伝わります。母への想いから寺の戒律そのものを変えたというこの逸話は、遍路へんろを語るうえで欠かせない物語として長く語り継がれてきました。境内の県天然記念物・びらん樹は、大師が母のために植えた記念樹と伝わり、赤い樹皮がひときわ目を引く霊木です。また、本堂左手に安置される毘沙門天は、阿波を治めた武将たちも戦勝を祈った武運の仏として知られます。阿波十八ヶ寺の締めくくりとしてこの寺を訪れると、遍路が功徳を積む旅であるだけでなく、恩や慈しみを一歩ずつたどる道でもあることが静かに心に響きます。第1回の巡拝の結びにふさわしい、余韻の深い札所ふだしょです。

おもな歴史
  • 弘仁5年(814)ころのことと伝えられる。
  • 「天正の兵火」で焼失したが、江戸時代に阿波藩主の庇護を受けて繁栄した。現在の本堂や大師堂だいしどうは、文化、文政年間(1804〜30)ころに建立された由緒ある建造物である。
お参りの前に

見どころ・伽藍

この札所の見どころ
  • 玉依御前の剃髪所大師堂だいしどうの手前にあり、「大師御母公剃髪所」の石碑と小さなお堂が建つ。
  • 弘法大師こうぼうだいし像大師みずから彫造した像で、現在は大師堂の本尊ほんぞんとされている。
  • 女人禁制を大師が7日間の滝行で解いたと伝わる寺。山号「母養山」・寺名「恩山寺」には、母の恩に報いる意味が込められている。
  • 「玉依御前の剃髪所跡」に母の髪が安置されている。
伽藍・主要堂宇
  • 県天然記念物のびらん樹は、大師が母のために植えた記念樹と伝わる。
  • 本堂左手の毘沙門天は、阿波を治めた武将たちが戦勝を祈った仏とされる。
  • 大師の母・玉依御前は、讃岐の善通寺から遠路はるばる息子に会いにこの地まで来たと伝わります。
  • 大師は母を迎え入れるため、境内の奥にある「花折り岩」の滝で7日間の水行と、女人禁制を解く秘法を修め、ようやく禁を解いたとされています。
  • 入山を許された母はこの寺で剃髪して出家を遂げ、その髪は今も「玉依御前の剃髪所跡」に大切に安置されています。
奥の院・霊跡
  • 境内奥の「花折り岩」の滝で、大師が7日間の水行と女人禁制を解く秘法を修めたとされる。
  • 母・玉依御前は、讃岐の善通寺から遠路はるばる息子に会いに来たと伝わる。
  • 山号「母養山」・寺名「恩山寺」は、母の恩に報いるという意味を込めて大師みずから改めたものと伝わります。
  • 母への想いから寺の戒律そのものを変えたというこの逸話は、遍路へんろを語るうえで欠かせない物語として長く語り継がれてきました。
  • 境内の県天然記念物・びらん樹は、大師が母のために植えた記念樹と伝わり、赤い樹皮がひときわ目を引く霊木です。
  • また、本堂左手に安置される毘沙門天は、阿波を治めた武将たちも戦勝を祈った武運の仏として知られます。
  • 阿波十八ヶ寺の締めくくりとしてこの寺を訪れると、遍路が功徳を積む旅であるだけでなく、恩や慈しみを一歩ずつたどる道でもあることが静かに心に響きます。
伝わるもの

信仰と物語

御本尊と信仰
  • 阿波十八ヶ寺の締めくくり。恩と慈しみをたどる道の象徴とされる。
  • 母孝行・家内安全のご利益で知られる。
  • 第1回の巡拝の結びにふさわしい、余韻の深い札所ふだしょです。
伝説・説話
  • 女人禁制の山に母を迎え入れるため、大師が戒律を変えたと伝わる逸話。
  • 母は剃髪して出家し、その髪は今も寺に安置されている。
文学・和歌
  • 御詠歌ごえいかは、父母の恩と参拝の大切さを説く。
ゆかりの人物
  • 弘法大師こうぼうだいしと母・玉依御前。
  • 毘沙門天は武将の信仰を集めた。
訪ねる方へ

参拝の手引き

年中行事
  • 護摩祈祷:日時:毎月1日、12日、20日
  • 奥之院金磯弁財天縁日:日時:己巳の日つちのとみのひ(この日に参拝すれば財福が備わるとされます)
参拝の実際
  • 花折り岩・びらん樹は、境内の案内に従って参拝する。
  • 第1回巡拝の結願けちがんにふさわしい、余韻の深い札所ふだしょ。
周辺・遍路道
  • 17番井戸寺から続く、阿波十八番の終点。19番立江寺へは小松島方面へ向かう。
アクセス
  • JR南小松島から西へ進み日開野町交差点で左折して国道55号線を南へ。標識に従って右折し、道案内に従って進みます。
  • 〒773-0008 徳島県小松島市田野町字恩山寺谷40
  • 0885-33-1218
  • 普通20台・マイクロバス5台・大型4台 (午前7時〜午後5時 ・無料)
この記事の拠りどころ

出典

本文の確認に用いた公開資料と、札所別研究記録に記載された書誌情報です。公開本文のURLを確認できた資料はリンクし、書誌情報のみ確認できたものはその旨を明記しています。

第18番 母養山 宝樹院 恩山寺|(一社)四国八十八ヶ所霊場会(公式霊場案内)
Wikipedia「恩山寺」(日本語版)
巡拝「四国八十八ヶ所 お遍路歩き」(junpai.co.jp)
『四国八十八ヶ所霊場先達教典』((一社)四国八十八ヶ所霊場会編・2006年|書誌情報)
宮﨑建樹『四国遍路ひとり歩き同行二人 解説編』第8版(へんろみち保存協力会・2017年|国立国会図書館書誌)
上野進「四国遍路と札所寺院―香川県の札所寺院調査から―」(『四国遍路と世界の巡礼』5・2020年|愛媛大学リポジトリ)
四国遍路総合研究(霊場資料学)(科学研究費助成事業 KAKEN23K20107|研究課題・成果一覧)
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