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四国八十八ヶ所 ・ 徳島県(阿波・発心の道場)

第1番 竺和山 一乗院 霊山寺

四国遍路へんろの出発点。発願ほつがんの寺として多くの巡礼者が最初に手を合わせる札所ふだしょ 御本尊ごほんぞんは釈迦如来です。 徳島県・阿波の第1番札所です。
第1番 竺和山 一乗院 霊山寺 仁王門
仁王門(写真提供:ユリカモメ)
第1番

霊山寺

本尊釈迦如来

のうまく さんまんだ ぼだなん ばく

御詠歌霊山の釈迦のみ前にめぐりきて よろずの罪も消え失せにけり

徳島県・阿波発心の道場高野山真言宗
はじめての方へ|この記事に出てくる言葉
本尊ほんぞん
そのお寺がいちばん大切におまつりする、中心の仏さま。
御真言ごしんごん
本尊に呼びかける、サンスクリットに由来する短い聖なる言葉。
御詠歌ごえいか
その札所をたたえ、巡る心をうたった和歌。
縁起えんぎ
そのお寺の始まりや、いわれを伝える言い伝え。
札所ふだしょ
お参りするお寺のこと。四国遍路では四国八十八ヶ所をめぐる。
大師堂だいしどう
弘法大師(お大師さま)をおまつりするお堂。本堂とあわせてお参りする。
奥の院おくのいん
札所の近くにある、もう一つの聖地。旧境内や、大師が修行したと伝わる岩や滝など。
結願けちがん
八十八ヶ所すべてを巡り終えること。「満願まんがん」ともいう。
四つの道場
四国の四県を、心の旅の四段階になぞらえた呼び名。阿波=発心ほっしん、土佐=修行しゅぎょう、伊予=菩提ぼだい、讃岐=涅槃ねはん。

 

  1. 縁起と歴史
  2. 見どころ・伽藍
  3. 信仰と物語
  4. 参拝の手引き
  5. 出典

八十八ヶ所のなかの位置

徳島県発心の道場1〜23
高知県修行の道場24〜39
愛媛県菩提の道場40〜65
香川県涅槃の道場66〜88
1

八十八ヶ所の道のりで、第1番は 徳島県(阿波・発心の道場)にあります。阿波23・土佐16・伊予26・讃岐23ヶ寺のうち、全体では1番目です。

第1番は徳島県・発心の道場。
釈迦如来(釈迦如来像)
「釈迦如来像」The Metropolitan Museum of Art(CC0)
所在地〒779-0230 徳島県鳴門市大麻町板東塚鼻126
前後の札所起点(発願の寺)。次の2番極楽寺へ約1.5km(徒歩約25分・平坦)。
この寺の成り立ち

縁起と歴史

四国八十八ヶ所しこくはちじゅうはっかしょ霊場れいじょうの全行程は、およそ1460キロ、365里におよぶ。札所ふだしょ番号の順に巡拝する遍路へんろにとって、ここは「発願ほつがんの寺」であり、「同行二人どうぎょうににん」の長い旅の始まりとなる。縁起えんぎによると、聖武天皇(在位724〜49)の勅願ちょくがんにより行基ぎょうき菩薩が開創した。弘仁6年(815)、弘法大師こうぼうだいしが四国の東北から右廻りに巡教された際、この地で衆生の88の煩悩を浄化し、衆生と自らの厄難をはらって、心身を救済できる霊場を開こうと37日間の修法をされた。その時、仏法を説く一老師をたくさんの僧侶が取り囲み、熱心に耳を傾けている霊感を得た。大師は、その光景が天竺(インド)の霊鷲山で釈迦が説法していた情景に似ていると感じ、インドの霊山を和国(日本)に移すという意味で「竺和山・霊山寺」と名づけられた。

このときの念持仏が釈迦誕生仏像であり、本尊ほんぞんの前に納められたことから、ここを四国八十八ヶ所の第一番札所とさだめ、霊場の開設・成就を祈願されたと伝えられる。誕生仏は白鳳時代の作で、身の丈約14センチ余の小さな銅造である。往時は阿波三大坊の一つに数えられ、荘厳な伽藍がらんを誇った。しかし天正10年(1582)、長宗我部元親の兵火により堂塔は全焼した。その後、阿波藩主・蜂須賀光隆公によってようやく復興したが、明治24年(1891)には出火により、本堂と多宝塔たほうとう以外の堂宇を再び焼失している。以来、100年の努力で往時の姿となっているが、おおかたが近年の建物である。別格本山であり、地の利を生かした伽藍の配置が、お遍路さんを迎える。

天平年間、聖武天皇の勅願を受けた行基菩薩が開基し、のちに弘法大師が37日間の修法を行った際、インドの霊鷲山に似た光景が現れたことから「霊山寺」と名づけられたと伝わる。天正10年、長宗我部元親の兵火で焼失したが、蜂須賀光隆により再興され、現在の伽藍が整えられた。応永年間建立の多宝塔は阿波で最も古い塔建築とされ、白鳳時代の釈迦誕生仏も安置されている。本堂内の泉水池には放生の伝統が息づき、池を眺めながら「発願」の意味を静かにかみしめることができる。門前では白衣・金剛杖・納経のうきょう帳といった遍路用品が揃い、はじめての方もここで身支度を整えられる。縁結び観音に手を合わせれば、この旅が単なる観光ではなく、自分の祈りを一歩ずつたどる時間になる。四国遍路の出発点として、多くの巡礼者が最初に手を合わせる札所である。

おもな歴史
  • 弘仁6年(815)、弘法大師こうぼうだいしが四国の東北から右廻りに巡教された際、この地で衆生の88の煩悩を浄化し、衆生と自らの厄難をはらって、心身を救済できる霊場れいじょうを開こうと37日間の修法をされた。
  • 釈迦誕生仏は白鳳時代の作で、身の丈約14センチ余の小さな銅造である。
  • 天正10年(1582)、長宗我部元親の兵火により堂塔は全焼した。
  • 明治24年(1891)には出火により、本堂と多宝塔たほうとう以外の堂宇を再び焼失している。
  • 天平年間、聖武天皇の勅願ちょくがんを受けた行基ぎょうき菩薩が開基し、のちに弘法大師が37日間の修法を行った際、インドの霊鷲山に似た光景が現れたことから「霊山寺」と名づけられたと伝わる。
  • 天正10年、長宗我部元親の兵火で焼失したが、蜂須賀光隆により再興されたと伝わり、現在の伽藍がらんが整えられた。
  • 応永年間建立の多宝塔は、阿波で最も古い塔建築とされ、白鳳時代の釈迦誕生仏も安置されている。
お参りの前に

見どころ・伽藍

この札所の見どころ
  • 発願ほつがんの寺四国遍路へんろの起点であり、ここから同行二人どうぎょうににんの旅が始まる。
  • 多宝塔たほうとう応永年間建立の阿波最古級の塔。五智如来を安置する。
  • 釈迦誕生仏白鳳期の小さな銅像で、大師の念持仏と伝わる。
  • 縁結び観音水で清めながら、さまざまな縁を祈願する。
  • 明治の庭大師堂だいしどう北の枯山水で、発願を象徴する。
  • 別格本山霊場れいじょう会の格式ある伽藍がらん配置。
伽藍・主要堂宇
  • 発心ほっしん門をくぐると、本堂・大師堂だいしどう・護摩堂・観音堂が配された伽藍がらんが広がる。
  • 応永年間(1394〜1428年)建立の多宝塔たほうとうは阿波最古級の塔建築で、内部に五智如来を安置する。
  • 大師堂の北側にある「明治の庭」は、発願ほつがんの寺を象徴する枯山水の庭である。
  • 縁結び観音は、男女の縁だけでなく、健康・仕事・幸せとの縁結びにもご利益を願う信仰が伝わる。
  • 白鳳時代の釈迦誕生仏(身丈約14cmの銅造)が本尊ほんぞんの前に納められ、第1番の証となっている。
  • 鐘楼しょうろう・毘沙門堂・納経のうきょう所など参拝の動線が整い、別格本山としての格式を保つ。
奥の院・霊跡
  • 弘仁6年(815年)、大師が37日間の修法中に霊鷲山の説法の情景を感得し、寺号を定めた霊場れいじょうである。
  • 奥の院おくのいんの詳細は公式の境内案内を参照(本資料では一次確認に至っていない)。
  • 鳴門市大麻町の丘陵に位置し、発心ほっしんの道場の入口として巡礼者を迎える。
  • 本堂内の泉水池には放生の伝統が息づき、池を眺めながら「発願ほつがん」の意味を静かにかみしめることができる。
  • 門前では白衣・金剛杖・納経のうきょう帳といった遍路へんろ用品が揃い、はじめての方もここで身支度を整えられる。
伝わるもの

信仰と物語

御本尊と信仰
  • 本尊ほんぞん釈迦如来の御前でよろずの罪が消え失せると詠む御詠歌ごえいかが、信仰の核となっている。
  • 発願ほつがんの寺として、納経のうきょう・護摩・初詣の参拝者が年間を通じて絶えない。
  • 釈迦誕生仏は大師の念持仏とされ、霊場れいじょう開設の証として本尊の前に安置される。
  • 縁結び観音に手を合わせれば、この旅が単なる観光ではなく、自分の祈りを一歩ずつたどる時間になる。
  • 四国遍路へんろの出発点であり、多くの巡礼者が最初に手を合わせる札所ふだしょである。
伝説・説話
  • 聖武天皇の勅願ちょくがんと行基ぎょうき開創の縁起えんぎ、そして大師の37日修法・霊山命名の伝承が伝わる。
  • 天正10年(1582年)、長宗我部元親の兵火で堂塔が焼失し、蜂須賀光隆らが再興した。
  • 明治24年(1891年)の出火で本堂・多宝塔たほうとう以外が焼失し、その後百年にわたり再建が続いた。
文学・和歌
  • 御詠歌ごえいか「霊山の釈迦のみ前にめぐりきて よろずの罪も消え失せにけり」は、罪滅ぼしの願いを詠む。
  • 境内には遍路へんろ歌や句碑が残る場合があり、参拝の折に目を通すとよい。
  • 詳しくは霊場れいじょう会の公式情報や寺伝を参照されたい。
ゆかりの人物
  • 開基は行基ぎょうき菩薩と伝わる。
  • 弘仁6年(815年)、弘法大師こうぼうだいしが37日間の修法を行い、寺号を定めた。
  • 天正の兵火のあと、蜂須賀光隆が再興を支えた。
訪ねる方へ

参拝の手引き

年中行事
  • 正月護摩祈祷:日時:1月1日〜3日
  • 星祭り・厄除けやくよけ祈祷:日時:2月3日
  • 接待講:日時:2月21日〜末日
  • 釈迦誕生日・青葉祭り・花祭り:日時:4月第1日曜日
  • 大師誕生日・青葉祭り:日時:6月15日
  • 護摩供養:日時:毎月1日
  • 御影供:日時:毎月21日
参拝の実際
  • 駐車場は普通車約100台・バス10〜20台で、無料とされる。
  • 宿坊はない。発願ほつがんの寺として、多くの巡礼者が最初に参拝する。
周辺・遍路道
  • 四国遍路へんろの起点。次の2番極楽寺へは約1.5km。
  • 藍住ICから県道1号・12号を経由して、鳴門市大麻町板東塚鼻に至る。
アクセス
  • 藍住インターチェンジから、県道1号線を板野町方面へ進み、次に県道12号線を鳴門市方面へ走ると左手にあります。
  • 〒779-0230 徳島県鳴門市大麻町板東塚鼻126
  • 088-689-1111
  • 普通100台・バス10〜20台・無料
この記事の拠りどころ

出典

本文の確認に用いた公開資料と、札所別研究記録に記載された書誌情報です。公開本文のURLを確認できた資料はリンクし、書誌情報のみ確認できたものはその旨を明記しています。

第1番 竺和山 一乗院 霊山寺|(一社)四国八十八ヶ所霊場会(公式霊場案内)
Wikipedia「霊山寺」(日本語版)
巡拝「四国八十八ヶ所 お遍路歩き」(junpai.co.jp)
『四国八十八ヶ所霊場先達教典』((一社)四国八十八ヶ所霊場会編・2006年|書誌情報)
宮﨑建樹『四国遍路ひとり歩き同行二人 解説編』第8版(へんろみち保存協力会・2017年|国立国会図書館書誌)
上野進「四国遍路と札所寺院―香川県の札所寺院調査から―」(『四国遍路と世界の巡礼』5・2020年|愛媛大学リポジトリ)
四国遍路総合研究(霊場資料学)(科学研究費助成事業 KAKEN23K20107|研究課題・成果一覧)
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