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四国八十八ヶ所 ・ 徳島県(阿波・発心の道場)

第11番 金剛山 一乗院 藤井寺

大師が五色の藤を植えた厄除の古刹 御本尊ごほんぞんは薬師如来です。 徳島県・阿波の第11番札所ふだしょです。
第11番 金剛山 一乗院 藤井寺 本堂
本堂(写真提供:ユリカモメ)
第11番

藤井寺

本尊薬師如来

おん ころころ せんだり まとうぎ そわか

御詠歌色も香も無比中道の藤井寺 真如の波のたたぬ日もなし

徳島県・阿波発心の道場臨済宗妙心寺派
はじめての方へ|この記事に出てくる言葉
本尊ほんぞん
そのお寺がいちばん大切におまつりする、中心の仏さま。
御真言ごしんごん
本尊に呼びかける、サンスクリットに由来する短い聖なる言葉。
御詠歌ごえいか
その札所をたたえ、巡る心をうたった和歌。
縁起えんぎ
そのお寺の始まりや、いわれを伝える言い伝え。
札所ふだしょ
お参りするお寺のこと。四国遍路では四国八十八ヶ所をめぐる。
大師堂だいしどう
弘法大師(お大師さま)をおまつりするお堂。本堂とあわせてお参りする。
奥の院おくのいん
札所の近くにある、もう一つの聖地。旧境内や、大師が修行したと伝わる岩や滝など。
結願けちがん
八十八ヶ所すべてを巡り終えること。「満願まんがん」ともいう。
四つの道場
四国の四県を、心の旅の四段階になぞらえた呼び名。阿波=発心ほっしん、土佐=修行しゅぎょう、伊予=菩提ぼだい、讃岐=涅槃ねはん。

 

  1. 縁起と歴史
  2. 見どころ・伽藍
  3. 信仰と物語
  4. 参拝の手引き
  5. 出典

八十八ヶ所のなかの位置

徳島県発心の道場1〜23
高知県修行の道場24〜39
愛媛県菩提の道場40〜65
香川県涅槃の道場66〜88
11

八十八ヶ所の道のりで、第11番は 徳島県(阿波・発心の道場)にあります。阿波23・土佐16・伊予26・讃岐23ヶ寺のうち、全体では11番目です。

第11番は徳島県・発心の道場。
薬師如来(薬師十二神将像)
「薬師十二神将像」高野山櫻池院蔵 出典: Wikimedia Commons(パブリックドメイン)
所在地〒776-0033 徳島県吉野川市鴨島町飯尾1525
前後の札所前の10番切幡寺から約10.0km。次の12番焼山寺へ約13.0km(遍路ころがし・山を2つ越える)。
この寺の成り立ち

縁起と歴史

四国最大の吉野川(全長236キロ)が、阿波の北部を貫いて流れている。阿波中央橋を南に渡ると、およそ3キロ先の山麓に十一番霊場れいじょうの山門が見えてくる。三方を山に囲まれ、渓流の澄んだこの地に心を惹かれた弘法大師こうぼうだいしが、ここで護摩修法をされたのは弘仁6年のことと伝えられている。大師は42歳の厄年にあたり、自らの厄難を祓い、衆生の安寧を願って薬師如来像を彫り、堂宇を建立した。その堂宇からおよそ200メートル上の8畳岩に、金剛不壊といわれる堅固な護摩壇を築いて、一七日間の修法をされた。堂の前に5色の藤を植えたという由緒から、金剛山藤井寺と称されるようになった。

寺は真言しんごん密教の道場として栄え、七堂伽藍がらんを構える壮大な大寺院へと発展した。しかし天正年間(1573〜92)の兵火で全山を焼失し、江戸時代初期まで衰微した。延宝2年(1674)に、阿波藩主が帰依していた臨済宗の南山国師が入山して再興し、このとき宗派を臨済宗に改めている。天保3年(1832)に再び火災に遭い、本尊ほんぞんを除く伽藍はすべて焼失した。現在の伽藍は、万延元年(1860)に再建されたものである。本尊は「厄除けやくよけ薬師」として親しまれ、国の重要文化財に指定されている。藤井寺から次の十二番・焼山寺までは、往古の姿を留める「へんろ道」が通じている。弘法大師が修行中に休息したと伝わる遺跡や石仏、標石が残る、貴重なへんろ道である。

42歳の厄年を迎えた弘法大師が、自らの厄難を払い、衆生の災いを除くため、この地で17日間の護摩修法を行いました。その満願の証として五色の藤を植えたことが、寺名の由来です。この藤は今も境内を彩り、春には紫・白・紅の花房が石段を覆うように垂れ下がります。本堂の天井には、江戸末期の画人・林雲渓が3年の歳月をかけて描いた30畳におよぶ雲龍の天井画が残ります。龍の眼はどこから見ても参拝者を睨むようで、その迫力が、これから先の道行きへ気持ちを引き締めてくれます。本尊の薬師如来坐像は平安後期の作で、国指定重要文化財に指定された古仏です。境内奥の白龍弁財天は金運や芸事の上達を願う人に親しまれ、芸能や商売に携わる参拝者が絶えません。この寺は、十二番焼山寺へ続く約12kmの山越え遍路へんろ道「遍路ころがし」の入口にあたり、平地の札所ふだしょから山道の巡礼へ移る節目の地です。阿波の前半を締めくくり、覚悟を整える場所として強く印象に残るでしょう。

おもな歴史
  • 弘法大師こうぼうだいしがこの地で護摩修法をされたのは弘仁6年のことと伝えられている。
  • 天正年間(1573〜92)の兵火で全山を焼失し、江戸時代初期まで衰微した。
お参りの前に

見どころ・伽藍

この札所の見どころ
  • 藤の古木。大師が悪疫退散を祈願したのちに植えたと伝わる。
  • 本堂の雲龍の天井画。昭和52年、地元出身の画家による30畳ほどの巨龍。
  • 42歳の厄年を迎えた大師が17日間の護摩修法を行い、満願の証として五色の藤を植えた。
  • 春には紫・白・紅の花房が石段を覆うように垂れ下がる。
伽藍・主要堂宇
  • 本堂の天井には、林雲渓が3年をかけて描いた30畳におよぶ雲龍の天井画がある。龍の眼はどこから見ても睨むようだ。
  • 本尊ほんぞんの薬師如来坐像は平安後期の作で、国指定重要文化財(像内墨書「久安4年=1148年」、四国最古級の造立銘)。
  • 境内奥の白龍弁財天は金運や芸事上達のご利益で知られる。
  • 42歳の厄年を迎えた弘法大師こうぼうだいしが、自らの厄難を払い、衆生の災いを除くためこの地で17日間の護摩修法を行い、満願の証として五色の藤を植えた。これが寺名の由来です。
  • この藤は今も境内を彩り、春には紫・白・紅の花房が石段を覆うように垂れ下がります。
奥の院・霊跡
  • 遍路へんろころがし(約12km)の入口。平地から山道の巡礼へ移る節目。
  • 十二番焼山寺への山越え道は、昔から難所として知られてきた。
  • 本堂の天井には、江戸末期の画人・林雲渓が3年の歳月をかけて描いた30畳におよぶ雲龍の天井画が残る。龍の眼はどこから見ても参拝者を睨むようで、その迫力が、これから先の道行きへ気持ちを引き締めてくれる。
  • 境内奥の白龍弁財天は、金運や芸事の上達を願う参拝者に親しまれ、芸能や商売に携わる人の参拝が絶えない。
  • この寺は、十二番焼山寺へ続く約12kmの山越え遍路道「遍路ころがし」の入口にあたり、平地の札所ふだしょから山道の巡礼へ移る節目の地である。
  • 阿波の前半を締めくくり、覚悟を整える場所として強く印象に残る。
文化財・寺宝
  • 本尊ほんぞんは「厄除けやくよけ薬師」として親しまれ、国の重要文化財に指定されている。
伝わるもの

信仰と物語

御本尊と信仰
  • 五色の藤が、厄除と護摩修法の満願を象徴する。
  • 芸能や商売に携わる人の弁財天参拝が絶えない。
伝説・説話
  • 大師が42歳の厄難を払い、衆生の災いを除くため17日間の護摩修法を行った。
  • 満願の証として五色の藤を植え、これが寺名の由来となった。
文学・和歌
  • 御詠歌ごえいかは、無比中道と真如の波を藤の花にたとえる。
ゆかりの人物
  • 弘法大師こうぼうだいしが護摩修法を行い、藤を植えた。
  • 仏師経尋作の本尊(久安4年銘)。
訪ねる方へ

参拝の手引き

参拝の実際
  • 藤の季節(4〜5月)は花が見ごろ。
  • 焼山寺への長い山道に入る前に、心構えを整える場。
周辺・遍路道
  • 10番切幡寺から続く。12番焼山寺へは遍路へんろころがし約12km。
アクセス
  • 土成インターチェンジから、国道318号線を左折して鴨島方面へ進み、阿波中央橋を渡り、国道192号線との突き当たりを左折。鴨島郵便局手前の信号を右折して道なりに進むとたどり着きます。
  • 〒776-0033 徳島県吉野川市鴨島町飯尾1525
  • 0883-24-2384
  • 門前に「本家ふじや」の駐車場がある 問い合わせ電話:0883-36-1037 参拝時間:300円/1日 500円
この記事の拠りどころ

出典

本文の確認に用いた公開資料と、札所別研究記録に記載された書誌情報です。公開本文のURLを確認できた資料はリンクし、書誌情報のみ確認できたものはその旨を明記しています。

第11番 金剛山 一乗院 藤井寺|(一社)四国八十八ヶ所霊場会(公式霊場案内)
巡拝「四国八十八ヶ所 お遍路歩き」(junpai.co.jp)
『四国八十八ヶ所霊場先達教典』((一社)四国八十八ヶ所霊場会編・2006年|書誌情報)
宮﨑建樹『四国遍路ひとり歩き同行二人 解説編』第8版(へんろみち保存協力会・2017年|国立国会図書館書誌)
上野進「四国遍路と札所寺院―香川県の札所寺院調査から―」(『四国遍路と世界の巡礼』5・2020年|愛媛大学リポジトリ)
四国遍路総合研究(霊場資料学)(科学研究費助成事業 KAKEN23K20107|研究課題・成果一覧)
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