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  5. 矢印第69番 観音寺
四国八十八ヶ所 ・ 香川県(讃岐・涅槃の道場)

第69番 七宝山 観音寺 観音寺

神恵院(第68番)と同じ境内に建つ第69番。七宝山・琴弾の観音寺として、室町期の本堂と数々の寺宝で知られる 御本尊ごほんぞんは聖観世音菩薩です。 香川県・讃岐の第69番札所ふだしょです。
第69番 七宝山 観音寺 観音寺 境内
境内(Reggaeman / CC BY-SA 3.0)
第69番

観音寺

本尊聖観世音菩薩

おん あろりきゃ そわか

御詠歌観音の大悲の力強ければ おもき罪をも引きあげてたべ

香川県・讃岐涅槃の道場真言宗大覚寺派
はじめての方へ|この記事に出てくる言葉
本尊ほんぞん
そのお寺がいちばん大切におまつりする、中心の仏さま。
御真言ごしんごん
本尊に呼びかける、サンスクリットに由来する短い聖なる言葉。
御詠歌ごえいか
その札所をたたえ、巡る心をうたった和歌。
縁起えんぎ
そのお寺の始まりや、いわれを伝える言い伝え。
札所ふだしょ
お参りするお寺のこと。四国遍路では四国八十八ヶ所をめぐる。
大師堂だいしどう
弘法大師(お大師さま)をおまつりするお堂。本堂とあわせてお参りする。
奥の院おくのいん
札所の近くにある、もう一つの聖地。旧境内や、大師が修行したと伝わる岩や滝など。
結願けちがん
八十八ヶ所すべてを巡り終えること。「満願まんがん」ともいう。
四つの道場
四国の四県を、心の旅の四段階になぞらえた呼び名。阿波=発心ほっしん、土佐=修行しゅぎょう、伊予=菩提ぼだい、讃岐=涅槃ねはん。

 

  1. 縁起と歴史
  2. 見どころ・伽藍
  3. 信仰と物語
  4. 参拝の手引き
  5. 出典

八十八ヶ所のなかの位置

徳島県発心の道場1〜23
高知県修行の道場24〜39
愛媛県菩提の道場40〜65
香川県涅槃の道場66〜88
69

八十八ヶ所の道のりで、第69番は 香川県(讃岐・涅槃の道場)にあります。阿波23・土佐16・伊予26・讃岐23ヶ寺のうち、全体では69番目です。

第69番は香川県・涅槃の道場。
聖観音(聖観音(鈴木其一 筆))
「聖観音」鈴木其一筆 ミネアポリス美術館蔵 出典: Wikimedia Commons(パブリックドメイン)
所在地〒768-0061 香川県観音寺市八幡町1-2-7
前後の札所前の第68番神恵院から約0km(神恵院と隣接。車遍路距離0km)。次の第70番本山寺へ約5.9km。
この寺の成り立ち

縁起と歴史

観音寺は第六十八番・神恵院と同じ境内にあり、開基も創建の時期や由縁も同じであることは、前項で述べたとおりです。ただし、創建のころの寺号は「神宮寺宝光院」と称しました。ここからは、その100年ほど後の縁起えんぎをたどります。大同2年(807)、弘法大師こうぼうだいしは琴弾八幡宮の本地仏である阿弥陀如来像を納めたとき、この寺の第7世住職となって入山したと伝わります。大師は琴弾山の中腹に、奈良の興福寺に倣って中金堂・東金堂・西金堂の様式で七堂伽藍がらんを建立し、その中金堂に本尊ほんぞんとする聖観世音菩薩像を彫造して安置しました。さらにこの地に仏塔を建て、瑠璃・珊瑚・瑪瑙などの七宝を埋めて地鎮したことから、寺名の神宮寺を「七宝山・観音寺」に改め、霊場れいじょうに定めたとされています。桓武天皇(在位781〜806)をはじめ3代の天皇の勅願ちょくがん所となり、室町時代には足利尊氏の子・道尊大政大僧正が住職として45年間務めるなど、寺運は隆盛を誇りました。しかし明治新政府の神仏分離令により本地仏を移し、一境内に二霊場となりました。本堂は金堂とも呼ばれ、室町時代の建築で国指定重要文化財です。境内には宝物館があり、彫刻としては珍しい「仏涅槃ねはん像」(厨子入り、平安〜鎌倉時代)をはじめ、絵画では「琴弾宮絵縁起」(絹本著色、鎌倉時代)、「不動二童子像」(絹本著色、室町時代)、さらに前項で触れた本地仏像など、国の重要文化財が数多く収蔵されています。

弘法大師との関わり

大同2年(807)、弘法大師こうぼうだいしが琴弾八幡宮の本地仏・阿弥陀如来像を納めた際、第7世住職として入山したと伝わります。興福寺に倣って七堂伽藍がらんを建立し、中金堂に聖観世音菩薩を安置しました。七宝を埋めて地鎮したことから、寺号を「七宝山・観音寺」と改め、第69番霊場れいじょうに定めたとされます。

おもな歴史
  • 明治新政府の神仏分離令により本地仏を移し、一境内に二霊場れいじょうとなりました。
お参りの前に

見どころ・伽藍

この札所の見どころ
  • 神恵院(第68番)と同じ境内一つの境内に二つの霊場れいじょうが並ぶ、琴弾平野の霊場。
  • 室町期の本堂(金堂)国指定重要文化財の堂宇で、境内を象徴する。
  • 琴弾宮絵縁起えんぎ日証上人と琴弾八幡の創建の由来を描いた大和絵(国重文)。
  • 最古の遍路へんろ落書き本堂に南北朝・貞和三年(1347)銘などの落書きが残る。
  • 宝物館仏涅槃ねはん像(厨子入り)ほか、国重文の寺宝を収蔵。
  • 足利道尊大政大僧正室町期に45年間住職を務め、寺は隆盛を誇ったと伝わる。
伽藍・主要堂宇
  • 本堂(金堂):室町時代の建築、国指定重要文化財。神恵院と同じ境内に建つ。
  • 中金堂・東金堂・西金堂:弘法大師こうぼうだいしが興福寺に倣って建立した七堂伽藍がらんの中心と伝わる。
  • 宝物館:仏涅槃ねはん像・琴弾宮絵縁起えんぎ・不動二童子像など、国重文を展示。
  • 琴弾八幡宮との一体参拝:神仏習合の名残として、神輿・神楽の伝統が残るとされる。
  • 明治の神仏分離令の後、本地仏を移し、一つの境内に第68番・第69番の二霊場れいじょうとなった。
奥の院・霊跡
  • 神恵院(第68番)と観音寺は同じ境内にある。琴弾八幡宮・巍巍園などを含む琴弾平野の霊場れいじょうを、一体で巡る。
  • 琴弾山の中腹には、弘法大師こうぼうだいしが建立した七堂伽藍がらんの遺構が伝わる。
  • 本堂の落書きは、南北朝期の遍路へんろ文化を示す貴重な資料として研究される。
文化財・寺宝
  • 本堂(金堂):室町時代の建築、国指定重要文化財。
  • 琴弾宮絵縁起(絹本著色、鎌倉時代)、不動二童子像(絹本著色、室町時代)。
  • 仏涅槃ねはん像(厨子入り、平安〜鎌倉時代)ほか、国重文多数。
  • OUV特記:琴弾公園(既指定名勝)
伝わるもの

信仰と物語

御本尊と信仰
  • 本尊ほんぞんは聖観世音菩薩。観世音菩薩の大悲のお力はまことに強いのだから、重い罪を背負う私たちをもどうか救い上げてください。
  • 真言しんごんは「おん あろりきゃ そわか」。
  • 宝号は南無大師遍照金剛。
伝説・説話
  • 縁起えんぎに含まれる伝承は『〜と伝わる』の語り口で扱う。
文学・和歌
  • 御詠歌ごえいか「観音の大悲の力強ければ おもき罪をも引きあげてたべ」
  • 御詠歌は四国霊場れいじょう会の札所ふだしょ案内や納経のうきょう帳などで広く流通し、巡礼の道中で唱えられる。
ゆかりの人物
  • 開基は日証上人と伝わる。
  • 大同2年(807)、弘法大師こうぼうだいしは琴弾八幡宮の本地仏である阿弥陀如来像を納めたとき、この寺の第7世住職となって入山したと伝わる。
  • 桓武天皇(在位781〜806)をはじめ3代の天皇の勅願ちょくがん所となり、室町時代には足利尊氏の子・道尊大政大僧正が住職として45年間務めるなど、寺運は隆盛を誇った。
訪ねる方へ

参拝の手引き

参拝の実際
  • 駐車場:あり
  • 電話:0875-25-3871
  • 納経のうきょう時間・拝観料は、季節や行事で変わる場合がある。参拝前に電話または公式サイトで確認するとよい。
周辺・遍路道
  • 前の第68番神恵院から約0km(神恵院と隣接。車遍路へんろ距離0km)。次の第70番本山寺へ約5.9km。
  • 大野原インターチェンジから高松市内向きに国道11号線・県道8号線へ。JR予讃線の踏切を越えて直進し、財田川を渡ると、琴弾山麓に駐車場があります。
アクセス
  • 〒768-0061 香川県観音寺市八幡町1-2-7
公式・関連リンク
  • 七宝山 観音寺 観音寺 公式サイト
  • 四国八十八ヶ所霊場会ページ
  • 霊場会
この記事の拠りどころ

出典

本文の確認に用いた公開資料と、札所別研究記録に記載された書誌情報です。公開本文のURLを確認できた資料はリンクし、書誌情報のみ確認できたものはその旨を明記しています。

第69番 七宝山 観音寺 観音寺|(一社)四国八十八ヶ所霊場会(公式霊場案内)
遍路案内資料(shikoku88-6869.com)
『四国八十八ヶ所霊場先達教典』((一社)四国八十八ヶ所霊場会編・2006年|書誌情報)
宮﨑建樹『四国遍路ひとり歩き同行二人 解説編』第8版(へんろみち保存協力会・2017年|国立国会図書館書誌)
上野進「四国遍路と札所寺院―香川県の札所寺院調査から―」(『四国遍路と世界の巡礼』5・2020年|愛媛大学リポジトリ)
四国遍路総合研究(霊場資料学)(科学研究費助成事業 KAKEN23K20107|研究課題・成果一覧)
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