四国八十八ヶ所 ・ 香川県(讃岐・涅槃の道場)
第87番 補陀落山 観音院 長尾寺
長尾の観音さん。力餅・大会陽と静御前得度の伝承を伝える天台宗の古刹 御本尊は聖観世音菩薩です。 香川県・讃岐の第87番札所です。

長尾寺
本尊聖観世音菩薩
おん あろりきゃ そわか
御詠歌あしびきの山鳥の尾の長尾寺 秋の夜すがら御名を唱えよ
香川県・讃岐涅槃の道場天台宗
はじめての方へ|この記事に出てくる言葉
- 本尊
- そのお寺がいちばん大切におまつりする、中心の仏さま。
- 御真言
- 本尊に呼びかける、サンスクリットに由来する短い聖なる言葉。
- 御詠歌
- その札所をたたえ、巡る心をうたった和歌。
- 縁起
- そのお寺の始まりや、いわれを伝える言い伝え。
- 札所
- お参りするお寺のこと。四国遍路では四国八十八ヶ所をめぐる。
- 大師堂
- 弘法大師(お大師さま)をおまつりするお堂。本堂とあわせてお参りする。
- 奥の院
- 札所の近くにある、もう一つの聖地。旧境内や、大師が修行したと伝わる岩や滝など。
- 結願
- 八十八ヶ所すべてを巡り終えること。「満願」ともいう。
- 四つの道場
- 四国の四県を、心の旅の四段階になぞらえた呼び名。阿波=発心、土佐=修行、伊予=菩提、讃岐=涅槃。
八十八ヶ所のなかの位置
八十八ヶ所の道のりで、第87番は 香川県(讃岐・涅槃の道場)にあります。阿波23・土佐16・伊予26・讃岐23ヶ寺のうち、全体では87番目です。

所在地〒769-2302 香川県さぬき市長尾西653
前後の札所前の第86番志度寺から約7.5km。次の第88番大窪寺へ約17km。
この寺の成り立ち
縁起と歴史
明治維新ののち、本坊は学校や警察、郡役所などの公共施設に使われた寺です。地元では「長尾の観音さん」、また「力餅・静御前得度の寺」として親しまれています。開創を聖徳太子とする説もありますが、天平十一年に行基菩薩が開いたとする説が一般的です。行基がこの地を歩いていると、道端の楊柳に霊夢を感じ、その木で聖観音菩薩像を彫って本尊としたと伝わります。のちに弘法大師がこの寺を訪れ、入唐がかなうよう、年頭の七夜にわたって護摩を修し、国家安泰と五穀豊穣を祈願されました。その祈りは今に受け継がれ、毎年正月七日には「大会陽」が盛大に営まれます。唐から戻った大師は、再びこの地を訪れて「大日経」を一石に一字ずつ書写し、供養塔を建てて、このとき真言宗に改めたと伝わります。長く多くの天皇の帰依を受けた寺でしたが、天正の兵火で本堂以外は灰燼に帰しました。江戸時代に藩主松平頼重が堂塔を整え、このとき天台宗に改めています。
おもな歴史
- 明治維新ののち、本坊は学校や警察、郡役所などの公共施設に使われました。
- 開創は天平十一年に行基菩薩によるとする説が一般的です。
- 天正の兵火で、本堂以外は灰燼に帰しました。
お参りの前に
見どころ・伽藍
この札所の見どころ
- 大会陽の力餅、本堂、静御前剃髪塚(静御前が母の磯禅尼とともに得度したのち、髪を埋めたと言われる塚)。
- 行基がこの地を歩いていると、道端の楊柳に霊夢を感じ、その木で聖観音菩薩像を彫って本尊としたと伝わります。
- 大会陽と力餅正月七日の護摩と力餅の授与で知られます。
- 静御前剃髪塚静御前と磯禅尼の得度にゆかりがあります。
- 長尾天満宮菅原道真と明印上人の交流に由来する天満宮です。
- 楊柳観音行基が楊柳の木で刻んだと伝わる本尊。
伽藍・主要堂宇
- 長尾天満自在天神宮:平安時代、この長尾寺に明印という名僧がいました。讃岐国司であった菅原道真公と親交が厚く、延喜二(九〇二)年、道真公が九州へ左遷されたとき、志度浦に出て「不期天上一円月、忽入西方万里雲」の詩を贈り、その心を慰めました。公もまた詩と自画像を明印に与えて別れを惜しみました。後にこの古事にちなみ、宝永七(一七一〇)年、天満自在天神宮として建立され、当山の鎮守として祀られています。
- 本堂:天和3年(1683)、藩主松平頼重が堂塔を建立しました。本尊は幾多の火災でも難を逃れ、秘仏として、讃岐七観音のうち当国七観音随一と定められました。
- 大会陽の力餅、本堂、静御前剃髪塚(静御前が母の磯禅尼とともに得度したのち、髪を埋めたと言われる塚)。
- 唐から戻った大師は再びこの地を訪れ、「大日経」を一石に一字ずつ書写し、供養塔を建てて、このとき真言宗に改めたと伝わります。
- 長く多くの天皇の帰依を受けた寺でしたが、天正の兵火で本堂以外は灰燼に帰しました。
- 江戸時代に藩主松平頼重が堂塔を整えました。
奥の院・霊跡
- 長尾寺周辺の霊跡や奥の院は寺伝に記されています。詳しくは公式を参照してください。
伝わるもの
信仰と物語
御本尊と信仰
- 本尊は聖観世音菩薩。山鳥の尾が長く垂れるように、その名も長尾寺で、秋の夜どおし聖観音の御名を唱えよ。
- 真言は「おん あろりきゃ そわか」。
- 宝号は南無高祖天台智者大師/南無宗祖根本伝教大師福聚金剛。
伝説・説話
- 開創を聖徳太子とする説もありますが、天平十一年に行基菩薩によるとする説が一般的です。
- 縁起に含まれる伝承は『〜と伝わる』の語り口で扱うこと。
文学・和歌
- 御詠歌「あしびきの山鳥の尾の長尾寺 秋の夜すがら御名を唱えよ」
- 御詠歌は四国霊場会の札所案内や納経帳などで広く知られ、巡礼の道中で唱えられます。
ゆかりの人物
- 開基は行基と伝わる。
- 開創を聖徳太子とする説もありますが、天平十一年に行基菩薩によるとする説が一般的です。
- 行基がこの地を歩いていると、道端の楊柳に霊夢を感じ、その木で聖観音菩薩像を彫って本尊としたと伝わります。
- のちに弘法大師がこの寺を訪れ、入唐がかなうよう、年頭の七夜にわたって護摩を修し、国家安泰と五穀豊穣を祈願されました。
- 長く多くの天皇の帰依を受けた寺でしたが、天正の兵火で本堂以外は灰燼に帰しました。
- 江戸時代に藩主松平頼重が堂塔を整えました。
訪ねる方へ
参拝の手引き
年中行事
- 初天神(あわせて筆供養とお炊き上げ)
- 秋例大祭(前日に宵宮)
参拝の実際
- 駐車場:あり
- 電話:0879-52-2041
- 納経時間や拝観料は季節や行事で変わる場合があります。参拝前に電話または公式サイトでご確認ください。
周辺・遍路道
- 前の第86番志度寺から約7.5km。次の第88番大窪寺へ約17km。
- 志度インターチェンジから長尾へ、約6km。
アクセス
- 〒769-2302 香川県さぬき市長尾西653
この記事の拠りどころ
出典
本文の確認に用いた公開資料と、札所別研究記録に記載された書誌情報です。公開本文のURLを確認できた資料はリンクし、書誌情報のみ確認できたものはその旨を明記しています。
第87番 補陀落山 観音院 長尾寺|(一社)四国八十八ヶ所霊場会(公式霊場案内)
nagaojiの公開ページ(nagaoji.com)
『四国八十八ヶ所霊場先達教典』((一社)四国八十八ヶ所霊場会編・2006年|書誌情報)
宮﨑建樹『四国遍路ひとり歩き同行二人 解説編』第8版(へんろみち保存協力会・2017年|国立国会図書館書誌)
上野進「四国遍路と札所寺院―香川県の札所寺院調査から―」(『四国遍路と世界の巡礼』5・2020年|愛媛大学リポジトリ)
四国遍路総合研究(霊場資料学)(科学研究費助成事業 KAKEN23K20107|研究課題・成果一覧)

