第73番 我拝師山 求聞持院 出釈迦寺

出釈迦寺
本尊釈迦如来
のうまく さんまんだ ぼだなん ばく
御詠歌迷ひぬる六道衆生救はんと 尊き山に出づる釈迦寺
はじめての方へ|この記事に出てくる言葉
- 本尊
- そのお寺がいちばん大切におまつりする、中心の仏さま。
- 御真言
- 本尊に呼びかける、サンスクリットに由来する短い聖なる言葉。
- 御詠歌
- その札所をたたえ、巡る心をうたった和歌。
- 縁起
- そのお寺の始まりや、いわれを伝える言い伝え。
- 札所
- お参りするお寺のこと。四国遍路では四国八十八ヶ所をめぐる。
- 大師堂
- 弘法大師(お大師さま)をおまつりするお堂。本堂とあわせてお参りする。
- 奥の院
- 札所の近くにある、もう一つの聖地。旧境内や、大師が修行したと伝わる岩や滝など。
- 結願
- 八十八ヶ所すべてを巡り終えること。「満願」ともいう。
- 四つの道場
- 四国の四県を、心の旅の四段階になぞらえた呼び名。阿波=発心、土佐=修行、伊予=菩提、讃岐=涅槃。
八十八ヶ所のなかの位置
八十八ヶ所の道のりで、第73番は 香川県(讃岐・涅槃の道場)にあります。阿波23・土佐16・伊予26・讃岐23ヶ寺のうち、全体では73番目です。

縁起と歴史
我拝師山 求聞持院 出釈迦寺の開基には、弘法大師幼少期の伝説「捨身ヶ嶽」縁起が深く結び付く。大師が「真魚」と呼ばれていた7歳のとき、我拝師山に登った。そして「私は将来仏門に入り、仏の教えを広めて多くの人を救いたい。願いが叶うなら釈迦如来よ、姿を現したまえ。もし叶わぬのなら一命を捨て、この身を諸仏に捧げる」と誓い、断崖絶壁から身を投じたと伝わる。すると紫色の雲が湧き、釈迦如来と羽衣をまとった天女が舞い降りた。雲の中で大師を抱きとめ、命を救い、願いが叶うことを示されたという。青年期には山頂で釈迦如来像を刻んで安置し、堂宇を建てたと伝えられる。この場所は「捨身ヶ嶽禅定」と呼ばれ、かつては札所であったが、現在は奥の院となっている。境内から急坂を約50分登った場所にある。大師が虚空蔵菩薩の真言を100万回唱える「求聞持法」を修めたことから、院号「求聞持院」が付けられたともいう。学業成就や物忘れにご利益を願う信仰が伝わる。身を投じた場所はさらに約100メートル先にあり、讃岐平野と瀬戸内海を一望できる絶景地とされる。
弘法大師との関わり
7歳の「真魚」が我拝師山で捨身の誓願を立て、釈迦如来の出現を求めたという伝説が、開創の核心とされる。青年期には山頂で釈迦如来像を刻んで安置し、虚空蔵求聞持法100万遍の修行を修めたことから「求聞持院」の院号が付けられたと伝わる。身を投じた断崖から約100メートル先が「大師捨身のお行場」とされる。
- 奈良後期〜平安前期:弘法大師が開基し、我拝師山に釈迦如来像を刻んで安置したと伝わる(伝承)
- 7歳の捨身伝説:「真魚」の名で知られる幼少期の誓願と、釈迦如来出現の逸話(伝承)
- 近世以降:捨身ヶ嶽禅定は奥の院となり、境内に本堂・遙拝所が整備された
- 現代:駐車場を拡張(普通車30台・大型5台)。旧暦15日の奥の院縁日に送迎・参籠が行われる
見どころ・伽藍
- 捨身ヶ嶽禅定境内から約50分登った奥の院。大師捨身のお行場が、さらに約100メートル先にある
- 捨身ヶ嶽遙拝所登れない場合でも、宝号の唱和と祈願で同等の利益があるとされる
- 本堂弘法大師作と伝わる釈迦如来。脇仏に不動明王・虚空蔵菩薩
- 求聞持信仰100万遍の修行に基づく、記憶力・学業成就のご利益
- 絶景捨身の崖から讃岐平野・瀬戸内海を一望
- 本堂は、弘法大師作と伝わる釈迦如来を本尊とし、脇仏に不動明王・虚空蔵菩薩を安置する。
- 捨身ヶ嶽遙拝所は、急坂を登れない参拝者のために設けられ、宝号の唱和と祈願で捨身ヶ嶽と同等の利益があるとされる。
- 境内から奥の院「捨身ヶ嶽禅定」までは、急坂を約50分登る。送迎バスは旧暦15日の縁日に限り運行する。
- 捨身のお行場は、奥の院からさらに約100メートル先。足元は深い谷底を見下ろす断崖である。
- 捨身ヶ嶽禅定:かつては札所であったが、現在は奥の院。大師が7歳で身を投じた誓願の地とされる。
- 大師捨身のお行場:捨身ヶ嶽禅定から約100メートル先。紫色の雲とともに、釈迦如来と天女が出現したとされる場所。
- 求聞持法の修行場:虚空蔵真言100万遍を修めたとされる、我拝師山の山頂付近。
- OUV特記:捨身ヶ嶽(我拝師山)
- 所在地(OUV表):善通寺市吉原町
信仰と物語
- 本尊の釈迦如来は、御詠歌に詠われるとおり、六道衆生を救うためにこの山に「出現」したと伝わり、捨身誓願と結び付けられる。
- 求聞持院の名は、記憶力・学業成就・物忘れ除けの信仰を集める。
- 旧暦15日の奥の院縁日は、送迎・参籠・護摩祈祷が行われる年中行事の中心である。
- 第72番曼荼羅寺・第75番善通寺と並ぶ、讃岐の大師関連霊場の一つである。
- 虚空蔵求聞持法100万遍の修行伝承は、院号「求聞持院」の説明として、納経・案内で用いられる。
- 7歳の「真魚」が断崖から身を投じ、紫色の雲の中で釈迦如来と天女に救われたという逸話は、四国遍路を代表する大師伝説の一つである。
- 捨身ヶ嶽遙拝所は、身体の不自由な参拝者への配慮として設けられたとされる。
- 我拝師山 求聞持院 出釈迦寺の開基には、弘法大師幼少期の伝説「捨身ヶ嶽」縁起が深く結び付く。
- 御詠歌「迷ひぬる六道衆生救はんと 尊き山に出づる釈迦寺」
- 御詠歌は四国霊場会の札所案内や納経帳などで広く流通し、巡礼の道中で唱えられる。
- 弘法大師(空海):開基。幼名「真魚」の捨身伝説と求聞持法の修行に結び付けられる。
- 第72番曼荼羅寺・第74番甲山寺・第75番善通寺と近接し、讃岐の大師関連霊場が集中する。
- 我拝師山 求聞持院 出釈迦寺の開基には、弘法大師幼少期の伝説「捨身ヶ嶽」縁起が深く結び付く。
参拝の手引き
- 毎月旧暦15日:奥の院縁日(先祖供養・護摩祈祷。18時30分から。境内から奥の院まで無料送迎あり。参籠料1,000円)
- 2月3日:節分大般若転読法要
- 旧暦3月15日:永代供養法要
- 土用丑の日:きゅうりの加持供養
- 奥の院への登拝は体力・天候に注意(大雨・大雪で中止の場合あり)。
- 旧暦15日は送迎バスあり。参籠は堂内・1,000円。
- 駐車場:あり(無料)。普通車30台・大型5台。
- 宿坊:なし
- 前の第72番曼荼羅寺から約5.0km。次の第74番甲山寺へ約3.0km。
- 善通寺ICから琴平方面へ国道329号線。西原北交差点を右折し、県道48号線を直進。甲山寺を過ぎ、看板に従い曼荼羅寺を過ぎて左折。
- 国道11号線からは看板が無いため注意。
- OUV特記:捨身ヶ嶽(我拝師山)。史跡○・名勝○。
- 〒765-0061 香川県善通寺市吉原町1091
出典
本文の確認に用いた公開資料と、札所別研究記録に記載された書誌情報です。公開本文のURLを確認できた資料はリンクし、書誌情報のみ確認できたものはその旨を明記しています。


