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  5. 矢印第67番 大興寺
四国八十八ヶ所 ・ 香川県(讃岐・涅槃の道場)

第67番 小松尾山 不動光院 大興寺

本堂の「七日燈明」。赤い蝋燭を7日間灯して祈祷していただくものです 御本尊ごほんぞんは薬師如来です。 香川県・讃岐の第67番札所ふだしょです。
第67番 小松尾山 不動光院 大興寺 境内
境内(Reggaeman / CC BY-SA 3.0)
第67番

大興寺

本尊薬師如来

おん ころころ せんだり まとうぎ そわか

御詠歌植ゑ置きし小松尾寺を眺むれば 法の教への風ぞ吹きぬる

香川県・讃岐涅槃の道場真言宗善通寺派
はじめての方へ|この記事に出てくる言葉
本尊ほんぞん
そのお寺がいちばん大切におまつりする、中心の仏さま。
御真言ごしんごん
本尊に呼びかける、サンスクリットに由来する短い聖なる言葉。
御詠歌ごえいか
その札所をたたえ、巡る心をうたった和歌。
縁起えんぎ
そのお寺の始まりや、いわれを伝える言い伝え。
札所ふだしょ
お参りするお寺のこと。四国遍路では四国八十八ヶ所をめぐる。
大師堂だいしどう
弘法大師(お大師さま)をおまつりするお堂。本堂とあわせてお参りする。
奥の院おくのいん
札所の近くにある、もう一つの聖地。旧境内や、大師が修行したと伝わる岩や滝など。
結願けちがん
八十八ヶ所すべてを巡り終えること。「満願まんがん」ともいう。
四つの道場
四国の四県を、心の旅の四段階になぞらえた呼び名。阿波=発心ほっしん、土佐=修行しゅぎょう、伊予=菩提ぼだい、讃岐=涅槃ねはん。

 

  1. 縁起と歴史
  2. 見どころ・伽藍
  3. 信仰と物語
  4. 参拝の手引き
  5. 出典

八十八ヶ所のなかの位置

徳島県発心の道場1〜23
高知県修行の道場24〜39
愛媛県菩提の道場40〜65
香川県涅槃の道場66〜88
67

八十八ヶ所の道のりで、第67番は 香川県(讃岐・涅槃の道場)にあります。阿波23・土佐16・伊予26・讃岐23ヶ寺のうち、全体では67番目です。

第67番は香川県・涅槃の道場。
薬師如来(薬師十二神将像)
「薬師十二神将像」高野山櫻池院蔵 出典: Wikimedia Commons(パブリックドメイン)
所在地〒768-0101 香川県三豊市山本町辻4209
前後の札所前の第66番雲辺寺から約10km。次の第68番神恵院へ約11km。
この寺の成り立ち

縁起と歴史

地元では大興寺というより、山号にちなむ「小松尾寺」の呼び名で親しまれ、近くの一帯の集落も小松尾と呼ばれる。縁起えんぎによると、天平十四年(742)、熊野三所権現を鎮護するため、東大寺の末寺として現在地より約1キロ北西に建立されたという。その後、延暦11年(792)に大師の巡錫を仰ぎ、弘仁13年(823)には嵯峨聖帝の勅により再興されたと伝えられている。しかし戦国時代の末、長宗我部元親の兵火により一部を残してことごとく焼失した。慶長年間(1596〜1615)に再建されたが再び焼亡し、現在の本堂は寛保元年(1741)に建立されたものである。現在の大興寺は真言宗しんごんしゅうの寺院だが、かつては真言二十四坊と天台十二坊が甍を連ね、同じ境内で真言・天台の二宗が兼学したという珍しい来歴を持つ。そのためか天台宗の影響が大きく、本堂に向かって左側の弘法大師こうぼうだいし堂とともに、右側には天台宗第三祖智顗を祀る天台大師堂が配されており、その名残をとどめている。本尊ほんぞんの脇侍は不動明王と毘沙門天で、不動明王は天台様式である。香川県の文化財には、次の5件が指定されている。一つは本尊の藥師如來坐像で、像高84センチ、平安後期の檜寄木造り、漆箔で、弘法大師の作と伝わる。天台大師坐像は鎌倉時代後期、建治2年(1276)の銘があり、檜寄木造りの彩色で像高77.4センチ。天台大師の彫像はきわめて少ない。弘法大師坐像は近年の調査で天台大師坐像と同じ建治2年の作と判明し、文化財に指定された。四国最古の銘を持つ弘法大師像である。仁王門におうもんの力強い二体の金剛力士立像は、仏師として名高い運慶の作と伝えられ、像高314センチ。鎌倉初期の作で、八十八ヶ所のなかで最大とされる。「大興寺」と記された扁額には、文永4年(1267)の年号と「従三位藤原朝臣経朝」の裏書きがある。

おもな歴史
  • 天平十四年(742)、熊野三所権現を鎮護するため、東大寺の末寺として現在地より約1キロ北西に建立されたと伝えられている。延暦11年(792)に大師の巡錫を仰ぎ、弘仁13年(823)には嵯峨聖帝の勅により再興されたという。
  • 詳細な年表は寺伝・公式資料を参照。
お参りの前に

見どころ・伽藍

この札所の見どころ
  • 本堂の「七日燈明」赤い蝋燭を7日間灯して祈祷していただくもので、病気平癒、安産、良縁などのご利益を願う信仰があります。
  • 仁王門におうもん堂々とした金剛力士像は、仏師として名高い運慶の作と伝えられます。
  • 本堂の「七日燈明」・仁王門・参道の榧と楠
  • 本尊ほんぞんの脇侍は不動明王と毘沙門天で、不動明王は天台様式です。
  • 香川県の文化財に指定されているのは次の5件です。
伽藍・主要堂宇
  • 本堂の「七日燈明」:赤い蝋燭を7日間灯して祈祷していただくものです。病気平癒、安産、良縁などのご利益を願う信仰があります。
  • 本堂の「七日燈明」・仁王門におうもん・参道の榧と楠
  • 戦国時代の末、長宗我部元親の兵火により一部を残してことごとく焼失した。慶長年間(1596〜1615)に再建されたが再び焼亡し、現在の本堂は寛保元年(1741)に建立されたものである。
  • 本尊ほんぞんの脇侍は不動明王と毘沙門天で、不動明王は天台様式である。
  • 仁王門の力強い二体の金剛力士立像は、仏師として名高い運慶の作と伝えられ、像高314センチ。
奥の院・霊跡
  • 縁起えんぎでは、天平14年(742)、熊野三所権現を鎮護するため、東大寺の末寺として現在地より約1キロ北西に建立されたと伝わる。
  • 延暦11年(792)の弘法大師こうぼうだいしの巡錫、弘仁13年(823)の嵯峨天皇の勅願ちょくがんによる再興が、寺伝に記される。
  • 瀬戸内海と小豆島を望む、展望の良い高台に建つ。
  • 仁王門におうもんの金剛力士像は、修理工事報告書が残る文化財として知られる。
伝わるもの

信仰と物語

御本尊と信仰
  • 本尊ほんぞんは薬師如来。弘法大師こうぼうだいしが植えて遺された小松尾寺(大興寺の旧称)を眺めると、その松を吹き渡る風のように、仏法の教えが今もここに吹き伝わってくることだ。
  • 真言しんごんは「おん ころころ せんだり まとうぎ そわか」。
  • 宝号は南無大師遍照金剛。
伝説・説話
  • 地元では大興寺というより、山号にちなむ「小松尾寺」の呼び名で親しまれ、近くの一帯の集落も小松尾と呼ばれる。
  • 現在の大興寺は真言宗しんごんしゅうの寺院だが、かつては真言二十四坊と天台十二坊が甍を連ね、同じ境内で真言・天台の二宗が兼学したという珍しい来歴を持つ。
  • 天台宗の影響が大きく、本堂に向かって左側の弘法大師こうぼうだいし堂とともに、右側には天台宗第三祖智顗を祀る天台大師堂が配されており、その名残をとどめている。
  • 鎌倉初期の作で、八十八ヶ所のなかで最大とされる。
文学・和歌
  • 御詠歌ごえいか「植ゑ置きし小松尾寺を眺むれば 法の教への風ぞ吹きぬる」
  • 御詠歌は四国霊場れいじょう会の札所ふだしょ案内・納経のうきょう帳などで広く流通し、巡礼の道中で唱えられる。
ゆかりの人物
  • 開基は弘法大師こうぼうだいしと伝わる。
  • 本尊ほんぞんの藥師如來坐像は像高84センチで、平安後期の檜寄木造り、漆箔、弘法大師の作と伝わる。
  • 弘法大師坐像は近年の調査で、天台大師坐像と同じ建治2年の作と判明し、文化財に指定された。
  • 四国最古の銘を持つ弘法大師像である。
訪ねる方へ

参拝の手引き

参拝の実際
  • 駐車場:あり(無料)
  • 電話:0875-63-2341
  • 納経のうきょう時間・拝観料は季節・行事で変わる場合がある。参拝前に電話または公式で確認を推奨。
周辺・遍路道
  • 前の第66番雲辺寺から約10km。次の第68番神恵院へ約11km。
  • 大野原インターチェンジから高松市内方面へ、国道11号線・県道240号線・国道377号線を経由し、観音寺市から山本町に入ります。大興寺の看板で左折して直進すると、右手に見えてきます。
アクセス
  • 〒768-0101 香川県三豊市山本町辻4209
公式・関連リンク
  • 小松尾山 不動光院 大興寺 公式サイト
  • 四国八十八ヶ所霊場会ページ
  • 霊場会
この記事の拠りどころ

出典

本文の確認に用いた公開資料と、札所別研究記録に記載された書誌情報です。公開本文のURLを確認できた資料はリンクし、書誌情報のみ確認できたものはその旨を明記しています。

第67番 小松尾山 不動光院 大興寺|(一社)四国八十八ヶ所霊場会(公式霊場案内)
komatsuojiの公開ページ(komatsuoji.com)
『四国八十八ヶ所霊場先達教典』((一社)四国八十八ヶ所霊場会編・2006年|書誌情報)
宮﨑建樹『四国遍路ひとり歩き同行二人 解説編』第8版(へんろみち保存協力会・2017年|国立国会図書館書誌)
上野進「四国遍路と札所寺院―香川県の札所寺院調査から―」(『四国遍路と世界の巡礼』5・2020年|愛媛大学リポジトリ)
四国遍路総合研究(霊場資料学)(科学研究費助成事業 KAKEN23K20107|研究課題・成果一覧)
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