第28番 法界山 高照院 大日寺

大日寺
本尊大日如来
おん ばざら だどばん
御詠歌露霜と罪を照らせる大日寺 などか歩みを運ばざらまし
はじめての方へ|この記事に出てくる言葉
- 本尊
- そのお寺がいちばん大切におまつりする、中心の仏さま。
- 御真言
- 本尊に呼びかける、サンスクリットに由来する短い聖なる言葉。
- 御詠歌
- その札所をたたえ、巡る心をうたった和歌。
- 縁起
- そのお寺の始まりや、いわれを伝える言い伝え。
- 札所
- お参りするお寺のこと。四国遍路では四国八十八ヶ所をめぐる。
- 大師堂
- 弘法大師(お大師さま)をおまつりするお堂。本堂とあわせてお参りする。
- 奥の院
- 札所の近くにある、もう一つの聖地。旧境内や、大師が修行したと伝わる岩や滝など。
- 結願
- 八十八ヶ所すべてを巡り終えること。「満願」ともいう。
- 四つの道場
- 四国の四県を、心の旅の四段階になぞらえた呼び名。阿波=発心、土佐=修行、伊予=菩提、讃岐=涅槃。
八十八ヶ所のなかの位置
八十八ヶ所の道のりで、第28番は 高知県(土佐・修行の道場)にあります。阿波23・土佐16・伊予26・讃岐23ヶ寺のうち、全体では28番目です。

縁起と歴史
寺伝では、天平年間(729〜749年)に聖武天皇の勅願を受けた行基菩薩が、金剛界大日如来の尊像を彫造して堂宇に安置し、当寺を開いたと伝わる。本尊の大日如来(マハーヴァイローチャナ)は真言密教で最も重要な根本仏とされ、寺号「大日寺」もこの本尊に由来する。山号は法界山、院号は高照院。その後一時荒廃したが、弘仁6年(815年)に四国を巡錫した弘法大師空海が、末世の人々の安泰を祈り、境内近くの楠の大木に爪で薬師如来像を彫って堂を建て、中興したと伝わる。このとき大師は、本尊大日如来の縁日が28日であることにちなみ、当寺を第28番の札所に定めたともいわれる。江戸時代には土佐藩主山内家の祈願所として栄え、大師堂の弘法大師像は二代藩主山内忠義の寄進と伝わる。明治の神仏分離・廃仏毀釈で一時廃寺となったが再興され、1200年余りにわたり法灯が守られている。
弘法大師との関わり
弘仁6年(815年)、四国を巡錫した弘法大師空海が末世の人々の安泰を祈り、境内近くの楠の立ち木に爪で薬師如来像を彫って堂を建て、荒廃していた当寺を中興したと伝わる。爪がノミ代わりになったという伝説から、この像は「爪彫薬師」と呼ばれ、奥の院に祀られている。また大師は、本尊大日如来の縁日(28日)にちなみ、当寺を第28番の札所に定めたともいわれる。大師が杖を突いて湧かせたと伝わる「お加持水」も、奥の院近くに残る。
- 天平年間(729〜749年):聖武天皇の勅願により行基菩薩が大日如来像を刻み開創したと伝わる(伝承)
- 弘仁6年(815年):四国巡錫中の弘法大師空海が楠に爪彫薬師を刻み中興、第28番札所に定めたと伝わる(伝承)
- 江戸時代(慶長年間ごろ〜):土佐藩の祈願所として栄える。大師堂の弘法大師像は藩主山内忠義の寄進と伝わる
- 明治5年(1872年):神仏分離令・廃仏毀釈により廃寺となり、本堂は「大日堂」と改称
- 明治17年(1884年):再興
- 明治44年(1911年)8月9日:木造大日如来坐像・木造聖観音立像が国の重要文化財(旧国宝)に指定
- 昭和42年(1967年)7月28日:「大日寺」が香南市(旧野市町)指定史跡に指定
- 昭和59年(1984年):大師堂を再建(宝形造)
- 昭和61年(1986年):六角堂を建立
- 平成9年(1997年):本堂を古代工法により釘を一本も使わず再建
見どころ・伽藍
- 爪彫薬師大師が楠に爪で彫ったと伝わる奥の院本尊。首から上の病に霊験が伝わる。
- 奉納の石願いが叶うと、穴の開いた石に氏名・年齢・部位を書いて奉納する習わしがある。
- 大日如来像本堂に国重文の大日如来坐像と聖観音立像を安置。平成9年に釘を使わず再建。
- お加持水奥の院近くの湧水。大師が杖で湧出させたと伝わり、高知県の名水40選に選ばれている。
- 花のお寺シンプルな山門と四季の草花で知られる。
- 六角堂地蔵菩薩を祀る六角の堂で、月に一度護摩供養が行われる。
- 本堂は平成9年(1997年)に古代の工法で釘を一本も使わず再建された五間四面の堂。本尊の大日如来坐像(像高約146センチ、平安時代後期作)と脇仏の聖観音立像(像高約171センチ)を安置し、ともに国の重要文化財に指定されている。
- 本堂と大師堂が並んで建つ。大師堂の弘法大師像は土佐藩2代藩主山内忠義の寄進と伝わる。堂は昭和59年(1984年)に宝形造で再建された。
- 昭和61年(1986年)建立の六角堂は地蔵菩薩を祀る六角の堂で、月に一度護摩供養が行われる。
- シンプルな山門と、境内を彩る四季の草花が美しく、「花のお寺」として知られる。
- 境内には爪彫り薬師ゆかりの楠の霊木や、奥の院の遥拝所がある。立ち木の爪彫薬師は明治の台風で倒れ、現在は倒木から切り出した薬師像を、境内から徒歩約5分の奥の院堂に安置する。
- 奥の院は山門より奥約200メートルにある爪彫り薬師堂で、弘法大師が楠の大木に爪で薬師如来を彫ったと伝わる。爪がノミ代わりになったという伝説から「爪彫薬師」と呼ばれる。
- 爪彫り薬師は首から上(頭・目・耳・鼻など)の病に霊験があるとされ、祠には穴の開いた石が奉納される。願いが叶うと、氏名・年齢・快癒した身体の部位を書いて奉納する習わしがある。
- 奥の院のそばに、弘法大師が杖を突いて湧出させたと伝わる「お加持水」があり、高知県の名水40選に選ばれている。
- 納経印には本尊のほか「奥の院爪彫薬師」が授与される。
- 木造大日如来坐像(国指定重要文化財、明治44年8月9日指定、像高約146cm、平安時代後期作・本尊)
- 木造聖観音立像(国指定重要文化財、明治44年8月9日指定、像高約171cm・脇仏)
- 大日寺(香南市〔旧野市町〕指定史跡、昭和42年7月28日指定)
信仰と物語
- 本尊の大日如来坐像は行基菩薩の作と伝わり、像高約146センチの寄木造で、四国霊場最大級とされる。
- 脇侍の聖観世音菩薩立像とともに、国の重要文化財に指定されている(明治44年8月9日指定)。
- 大日如来の光明遍照の信仰の中心とされ、学業成就などを願う参拝者も多いとされる。
- 首から上の病の平癒は、奥の院の爪彫薬師に向けられる信仰と伝わる(本尊大日如来の帰属ではない)。
- 弘法大師が楠の大木に爪で薬師如来を彫ったと伝わり、爪がノミになったという伝説がある。奥の院の爪彫り薬師として残る。
- 立ち木の爪彫薬師は明治の台風で倒れ、現在は倒木から切り出した薬師像を奥の院堂に安置する。
- 爪彫り薬師は首から上の病に霊験があるとされ、平癒を願って穴の開いた石が奉納されてきた。
- 御詠歌「露霜と罪を照らせる大日寺 などか歩みを運ばざらまし」が伝わる。
- 寺伝では、聖武天皇の勅願により行基菩薩が開創し、弘仁6年(815年)に弘法大師が諸堂を再興したと伝わる。
- 明治の廃仏毀釈で廃寺となったが、地元の奉賛会が本尊を守り、明治17年(1884年)に再興されたと伝わる。
参拝の手引き
- 正月三箇日:本尊大日如来宝前で国家泰平・万民豊楽を祈願
- 節分・星供養(2月3日までの7日間):開運厄除を祈願
- 3月21日ごろ:弘法大師ご入定の日(正御影供)、大師堂開帳
- 4月8日:灌仏会(花まつり)
- 6月15日:弘法大師誕生祭(青葉まつり)
- 8月盆:施餓鬼会、檀信徒各家の精霊・三界万霊に回向
- 12月31日23時30分〜翌1時:除夜の鐘(誰でも撞ける)
- 毎月1回:六角堂で護摩供養
- 駐車場は普通車約30台で無料、宿坊はない。
- 首から上の病に霊験が伝わる奥の院の爪彫り薬師への参拝も親しまれている。境内から徒歩約5分の奥の院堂に安置される。
- 四国霊場で「大日寺」と称するのは、第4番、第13番と当寺の3か寺とされる。
- 前の第27番神峯寺からは約37.5キロ、次の第29番国分寺へは約9.2キロの行程とされる。
- 土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線「のいち駅」から約2.0キロで、国道55号に近い。
- 日本三大鍾乳洞の龍河洞や、高知県立のいち動物公園が周辺にある。
- 土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線「のいち駅」からタクシー約5分(徒歩約30分、約2.0km)。JR土讃線「土佐山田駅」からタクシー約10分。高知龍馬空港からタクシー約20分。高知自動車道「南国IC」から約30分(のいち動物公園方面を目指す)。バスは高知東部交通「野市龍河洞通」下車約2.0km。高知県道22号龍河洞公園線「大日寺前」から約0.3km。
- 駐車場:山門前に普通車30台収容の無料駐車場あり。バス(マイクロバス)専用は参道入口付近の2か所に各5台、無料。
- 納経時間:午前7時〜午後5時(年中無休)
- 宿坊:なし
写真






画像の著作権表示(出典:Wikimedia Commons)
- 大師堂© Reggaeman / Wikimedia Commons / CC BY-SA 3.0
- 六角堂© Reggaeman / Wikimedia Commons / CC BY-SA 3.0
- 山門・門© Reggaeman / Wikimedia Commons / CC BY-SA 3.0
- 境内・全景© Reggaeman / Wikimedia Commons / CC BY-SA 3.0
- 鐘楼© Naokijp / Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0
- 薬師堂(爪彫薬師・奥の院)© Naokijp / Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0
出典
本文の確認に用いた公開資料と、札所別研究記録に記載された書誌情報です。公開本文のURLを確認できた資料はリンクし、書誌情報のみ確認できたものはその旨を明記しています。