
物に定まれる性なし。人、何ぞ常に悪ならん。『秘蔵宝鑰』
このお言葉は、私たちに大きな希望と勇気を与えてくれます。
「物に定まれる性なし」とは、この世のすべての物事や状況は、決して固定されたものではない、という意味です。私たちの心や身体の状態、あるいは直面している困難も、永遠に続くわけではありません。それは常に移り変わり、変化していく可能性を秘めています。
例えば、今、病という苦しみに直面しているとしても、その状態が未来永劫続くとは限りません。適切な治療や養生、そして薬師如来さまへの深い祈り、心の持ちようといった様々な「ご縁」によって、必ず良い方向へ向かう可能性があるのです。当山の名誉住職が四度にわたるガンを乗り越えられたことや、かつて箱車でお参りされた方が奇跡的な回復を遂げられた物語は、まさにこの「定まれる性なし」を体現していると言えるでしょう。
そして、「人、何ぞ常に悪ならん」とは、人もまた、常に悪い存在であると決めつけられるものではない、という意味です。人は誰でも、過ちを犯したり、弱さを見せたりすることがあります。しかし、それだけでその人のすべてが否定されるわけではありません。誰もが心の中に、仏さまのような清らかな可能性(仏性)を秘めています。
悩みや苦しみ、不安といった感情も、私たちを「悪い」状態にしているように感じるかもしれませんが、それは一時的なもの。仏さまとの「つながり」を通じて、心のあり方を見つめ直すことで、私たちは再び穏やかさを取り戻し、前向きな力を湧き立たせることができるのです。
平等寺の24時間ライブ配信やオンライン祈願は、この弘法大師さまの教えに基づき、あなたがどのような状況にあっても、いつでも、どこでも、薬師如来さまの癒しの光と「つながる」ことができるようにとの願いから生まれました。
固定された苦しみはありません。常に悪いままの人もいません。
平等寺は、あなたが内に秘めた「良くなろうとする力」「癒されようとする力」を信じ、薬師如来さまの広大無辺な慈悲の光と共に、その変化と再生のプロセスに寄り添います。
南無大師遍照金剛。
南無薬師瑠璃光如来。
どうか薬師如来さまの慈悲の光が、あなたの心と体を包み込み、苦しみを和らげ、新たな希望と力をお与えくださいますように。
令和7年5月8日薬師縁日
平等寺住職