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秘密の加持は機水に応じて断ぜず

秘密ひみつ加持かじ機水きすいおうじてだんぜず
『奉為四恩造二部大曼荼羅願文』四恩に報いるための両部曼荼羅造立の願文

仏さまの慈悲は、いつもあなたと共に

弘法大師さまが残された、とても温かいお言葉があります。

秘密ひみつ加持かじ機水きすいおうじてだんぜず

少し難しく聞こえるかもしれませんが、実はとてもシンプルなメッセージです。

これは、「 仏さまの慈悲は、あなたの心の状態に合わせて、24時間365日、決して途切れることなく注がれています 」という意味です。

このお言葉が説かれた背景

弘法大師さまは、中国(唐)で密教のすべてを学ばれ、日本に帰国されました。しかし、持ち帰った曼荼羅(密教の世界を表す神聖な絵図)は、長い年月で傷んでしまいました。

大師は「このままでは、後の人たちに正しい密教を伝えることができない」と心を痛められ、新たに曼荼羅を造ることを決意されました。これは、父母の恩、国の恩、すべての生き物の恩、仏法僧の恩という「四つの恩」に報いるためでもありました。

その願文の中で、大師は大日如来さまの素晴らしさを、このように表現されています:

大日如来さまの光は、宇宙のどこにでも満ちあふれている。

仏の教えは、その光の中で永遠に説かれ続けている。

仏さまの慈悲は、一人ひとりの心の状態に合わせて、決して途切れることなく注がれている

なんと不思議で、なんと偉大なことか!

お大師さまは、「このような素晴らしい仏さまの教えを、曼荼羅という形で後世に伝えたい」という強い思いと共に、仏さまの慈悲が私たち一人ひとりを決して見捨てないということを、感動をもって伝えてくださったのです。

「仏日」という特別な光

ここで大切なのは、仏日ぶつにちという仏さまの光の特別な性質です。

私たちが知っている太陽の光は、物に当たると影を作ります。しかし、仏さまの光は、どこにも影を作らない特別な光なのです。これはどういうことでしょうか?

仏さまの慈悲の光は、あなたの心のすみずみまで、暗い場所も、隠れた場所も、すべてを温かく照らしてくださるということです。

あなたが自分でも嫌だと思っている部分、誰にも見せたくない弱さ、心の奥底の苦しみや悲しみ。仏さまの光は、そんな場所にも影を作ることなく、すべてを優しく包み込んでくださるのです。

より深い意味

機水きすいおうじて」という言葉も大切です。

水は、その時々で様々な姿を見せます。澄んでいる時も、濁っている時も、静かな時も、波立っている時も。私たちの心も同じです。

でも、仏さまの光は、あなたの心がどんな状態でも、その状態に合わせて、最も必要な形で届けられます。優しさが必要な時には優しさとして、勇気が必要な時には力として、癒しが必要な時には安らぎとして。

そして、どんな心の状態でも、決して「これは照らすに値しない」と見捨てられることはありません。

なぜお大師さまはこれを伝えたかったのか

実は、大師ご自身も、悟りへの道で迷い、苦しまれた経験があります。

願文の中で径路けいろいまらず、ちまたいどんでいくたびかく」(道がわからず、分かれ道で何度も泣いた)と告白されています。

しかし、その苦しみの中でも、仏さまの導きは途切れることがありませんでした。そして遂に、中国で密教の全てを学び、日本に伝えることができたのです。

だからこそお大師さまは、どんなに苦しい時でも、どんなに心が暗い時でも、仏さまの慈悲の光は影を作ることなく、あなたを照らし続けるということを、私たちに伝えたかったのです。

現代の私たちへのメッセージ

平等寺の24時間ライブ配信は、まさにこの教えを形にしたものです。 いつでも、どこからでも、弘法大師御作の薬師如来さまとつながることができます。 朝の不安な時も、昼の忙しい時も、夜の寂しい時も、深夜の眠れない時も。

薬師如来さまの癒しの光は、あなたの今の状態に合わせて、どこにも影を作ることなく、あなたのすべてを優しく照らし続けています。

平等寺の本尊

あなたは一人ではありません。

仏さまの影のない温かい光は、今この瞬間も、あなたを包み込んでいます。

南無大師遍照金剛
南無薬師瑠璃光如来

令和7年6月8日薬師縁日
平等寺住職 谷口 真梁

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